F1グリッド決定ルールが新5段階プロセスに変更。降格者多数での混乱を避けるべく、ペナルティ適用システムを明確化

 FIAはF1の決勝グリッド決定についての2022年競技レギュレーションを変更、グリッド降格ペナルティの適用に新たな方法を用いることを発表した。2022年のベルギーGPとイタリアGPでは多数のドライバーがパワーユニットエレメント交換等によりペナルティを受け、グリッド確定まで時間がかかり、チーム側は自身のグリッドに確信が持てずに混乱した。

 この事態を受けて、FIAはグリッド確定までのプロセスを変更、この規則変更を10月19日に開催された世界モータースポーツ評議会会合で決定した。

 旧規則では、まず予選に従ってグリッドが確定された後にペナルティを適用する形になっていた。新システムでは、「名目上の空白グリッド」に、段階的にドライバーの位置決めをしていく。

2022年F1第14戦ベルギーGPスタート

 FIAが説明するグリッド確定の5つのプロセスは以下のとおり。

(a) 予選順位を得て、累積グリッドペナルティが15グリッド以下のドライバーたちに、予選結果にグリッドペナルティ合計を足した位置を暫定グリッドポジションとして割り当てられる。複数のドライバーの暫定グリッドポジションが同一になった場合には、予選結果に従い、予選で最も遅かったドライバーがその暫定グリッドポジションを維持、それ以外のドライバーたちはその前の位置をそれぞれの暫定グリッドポジションとして与えられる。

(b) (a)に従ってペナルティを受けるドライバーたちの暫定グリッドポジションを割り当てた後、予選順位を得てペナルティを受けないドライバーたちに、予選結果順に空きグリッドポジションが割り当てられる。

(c) ペナルティを受けないドライバーたちにグリッドポジションが割り当てられた後、ペナルティを受けるドライバーたちで(a)で暫定グリッドポジションを与えられた者は、空きグリッドポジションへと繰り上げられる。

(d) 予選順位を得て、累積グリッドペナルティが15グリッドを上回るドライバー、あるいはグリッド後方(the back of the grid)からのスタートというペナルティを受けたドライバーは、他の予選順位を得たドライバーたちより後方からスタートする。彼ら同士の位置関係は、予選結果に従って決定される。

(e) 予選で順位を得ていないもののスチュワードからレース参加の許可を得た者は、予選順位を得た全ドライバーより後方からスタートする。

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