2021年4月まで宝塚歌劇団雪組トップスターとして活躍した望海風斗が、退団1年を経て、2022年10、11月に東京公演から始まり、4都市でのコンサートツアーを開催。なお、ライブ配信も用意されている
退団直後のコンサート『SPERO』で男役にとどまらない歌唱力を披露し、その後も『INTO THE WOODS』の魔女役 や、『next to normal』での双極性障害を抱える母親・ダイアナ役、また今夏上演『ガイズ&ドールズ』の踊り子・アデレイド役等、幅広い作品を積み重ねてお贈りするコンサート。一部公演では、宝塚歌劇団雪組でともに活動した彩凪翔や、 『ガイズ&ドールズ』で望海風斗演じるアデレイドの恋人役を演じた浦井健治がゲスト出演。
ゲネプロの前に簡単な取材会が行われた。メガネをかけて黒いジャージー姿という出立で登壇。20周年記念のコンサート。「宝塚歌劇団に18年、やめてからは２年目、初舞台から20年目ですが、まだ新鮮な気持ちです」と言い「20周年っていう言葉がしっくりこない、コンサートをしながらお客様と『ああ、20年経つんだな』っていうのを…ただ20周年っていうのを噛み締める間も無く、始まったらノンストップのコンサートになっているので」と語る。
ただ、この２年の間に多彩な作品に出演、『ガイズ&ドールズ』は記憶に新しいところ。これから初日を迎えるに当たって「ただただ無事に幕が開いて、幕が降りることを祈っています」と語る。昨今、様々な要因で初日が迎えられない、あるいは千秋楽まで行かずにクローズドになることが多い。「去年のコンサートはこれから自分はどのようになっていくんだろうっていう…１歩踏み出す経験を皆様と一緒にして行きたいなっていうコンサートだったので。今回はこの１年半の間にいろんな舞台を踏ませていただき、いろんな経験をさせていただき、進化っていうんでしょうか、宝塚の時とは違うものを感じつつ、やはり、舞台に立つということは変わらないなと。今まではがむしゃらに前だけ向いて走っていました。宝塚時代にやってきたことも自分がやってきたことだとしっかりと感じることができた１年半」と足跡を振り返る。「垣根なく、望海風斗という人間として織り交ぜてできたら」と語る。セットリストは多彩。ミュージカルの楽曲はもちろん多いが「ミュージカルの楽曲で歌ってみたいなっていうのは入れました。でも入り切らなかった曲もいっぱいあって、絞りに絞って…」と選曲にはかなり悩んだ様子。「詰め込み、詰め込み、びっくりするくらいの量」と語る。「きっと楽しんでもらえると思います」とPR。「歌った曲でもコンサートで歌うとまた違った色合いになるというんでしょうか、作品を振り返るのではなく、コンサートとして歌ったらどういう風になるんだろうかっていうところはこだわりました。今回は芝居仕立てになってるので、「ひかり」という人間のドラマが入ってるんです」と語る。ここはお楽しみポイント。「そこにひかりさんの心情を交えたり、でも望海さんの心情も入ってたり。コンサートでしかこういうことはできないなと」と力説。ちなみにこの衣装…コンサートっぽくない、ほぼスタッフさんかと見間違える衣装（笑）。「これがナチュラルな姿です、はい」、ここは見てのお楽しみ。また「歌うか着替えるか、なんですよ」と笑う。すごいスピードで衣装が変わるので「ぜひ、楽しんでください、着たことのない衣装に挑戦しているので、着こなせるようになりたい」と衣装アピール。また、首からかけてるスタッフ証も手が込んでいる。グッズにも注目。「また、今回は映像がすごい、映像でしか見れない顔もあるので！引きでも寄りでも」と笑う。
最後に「舞台を通して応援してくださっているファンの方に舞台を楽しんでいる姿をお見せするのが一番の感謝の気持ちと感じていますので、この１ヶ月ちょっと、必死な思いで作ってきたコンサートなので、楽しんでもらえたらいいなと思いますし、皆様の活力になったら。客席と舞台は距離はありますが、それでも皆様に会えることが楽しみです。その時にしか出せないものをこの会場で皆様にお届けしたいと思います、ぜひいらしてください」と締めくくった。
ここからネタバレを含みます。ご注意ください。
コンサートであるが、芝居仕立て、望海風斗は、どこかのテレビ局のプロデューサーという役どころ、名前は「ひかり」。メガネをかけて地味で動きやすい服装、仕事に邁進している、という風情。そんな彼女、自分が担当していた歌番組が打ち切りの憂き目に。一緒に仕事をしているディレクターからどんな歌番組が理想なのかを聞かれて…その理想の歌番組の「妄想」がリアルショータイム、というかなり憎い設定。所々に番組スタッフとのやりとりを挟みこんで進行する。
「生バンド」は必須とひかりが言い、そこへ生バンドが上手、下手から登場。一気に盛り上がる、１曲目は、今回のコンサートのメインテーマでもある楽曲「Look at Me」が早速。一気にノリノリに。ひかりは自分の原点であるブロードウェイの話をする、若かりし頃にいき、その迫力や華やかさに圧倒された、とひかり。そしてここで繰り広げられるナンバーはブロードウェイミュージカルの超有名ナンバーを。望海風斗に縁がある楽曲、ファンならおおよそ察しはつくであろう。そのミュージカルの雰囲気に合わせた衣装で熱唱。
とにかく衣装がおしゃれで何回着替えているのか、数えきれないくらい。また、日本の、よく知ってる歌謡曲やJ-POPも飛び出す。名曲が目白押し。ノンストップのおよそ90分のショータイム。カーテンコールも合わせて21曲、スピード感溢れるステージング、演出のウォーリー木下の手腕が光る映像演出が時にはポップで時にはエモーショナル、会見でも語っていたが、双眼鏡でじっくりと表情を見るのも良いが、ぜひ、全体の演出にもしっかりと注目したい。
宝塚時代の楽曲「Music is my life」（宝塚歌劇団雪組公演『Music Revolution!』より）もあり、また、先頃出演した「ガイズ&ドールズ」から「Luck be a lady」もあり、もうお腹がいっぱいになるコンサート。ダンスに歌に芝居に90分間、大奮闘。プロフェッショナル精神に溢れたステージ、ライブ配信も用意されているので、リアルで観劇できないファンのみならず、観劇したけど、配信でも楽しみたいファンも！
概要
望海風斗 20th Anniversary ドラマティックコンサート『Look at Me』
構成:竹村武司
上演台本・演出:ウォーリー木下
音楽監督:武部聡志
出演:望海風斗
石川新太 伊藤わこ 榎本成志 高倉理子 隼海惺 松島蘭 りんたろう 渡辺崇人 ※五十音順
東京
2022年10月20日(木)〜27日(木) 東京国際フォーラムホールC
名古屋
2022年11月3日(木・祝)〜6 日(日) ウインクあいち
大阪
2022 年11 月10 日(木)〜13 日(日) 梅田芸術劇場 メインホール
福岡
2022 年11 月23 日(水・祝)〜24 日(木) キャナルシティ劇場
公式サイトhttps://nozomi210.com/lookatme/
舞台撮影・会見撮影（縦写真）：岩田えり
会見撮影（横写真）：編集部
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