横浜に新たな研究拠点完成 中外製薬、次世代の新薬創出へ 実験室は壁面ガラス張り

来年4月に稼働する中外ライフサイエンスパーク横浜=横浜市戸塚区

 医薬品大手の中外製薬(東京都)は20日、横浜市戸塚区の新研究施設「中外ライフサイエンスパーク横浜」を報道陣に公開した。創薬研究の中核拠点と位置づけ、鎌倉と静岡・御殿場に分散していた機能を集約。来年4月に稼働し、次世代の新薬創出を目指す。

 新施設は今月15日、日立製作所の事業所跡地に完成した。16棟の建物(延べ床面積11万9500平方メートル)が柏尾川を挟む形で連なり、約千人が勤務する。同社によると、総投資額は1718億円。来春の稼働後は鎌倉と御殿場の研究所を閉鎖し、跡地は売却する。

 この日は、実験棟や居室棟の一部が公開された。実験室は壁面をガラス張りにして開放感を演出。自走式のロボットなどを導入し、実験の自動化を加速させて生産性の向上につなげる。小中高校生向けの体験施設「バイオラボ」なども併設した。

 各棟をつなぐ全長約300メートルの廊下は、背骨を意味する「スパイン」と名付けた。21カ所のワークスペースをはじめ、随所に交流用の空間を配置。日常的に実験室とオフィスを往復する研究者同士が顔を合わせ、コミュニケーションを取りやすい構造とした。

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