救急隊も働き方改革 小田原市消防、平日日中のみの「日勤救急隊」創設 「家族に毎日会える」と歓迎の声

出動の合間に訓練を重ねる「日勤救急隊」=小田原市消防本部

 小田原市消防本部は平日の日中時間帯だけ働く「日勤救急隊」を創設し、10月から試行運用を始めた。育児や介護などで従来の24時間勤務が難しい隊員も、多様な働き方を選べれば現場で活躍できる。同本部によると県内では横浜、相模原、横須賀市に続き4例目の導入といい、隊員からは「毎日、家族に会える」と歓迎する声も聞かれる。

 小田原のほか、足柄上郡(中井、大井、松田、山北、開成町)を管轄する同本部は救急隊11隊が隔日で勤務する2交代制。午前8時半から翌朝まで仮眠時間を除いて夜間も緊急出動に備えるため、家庭の事情でそうした勤務形態の難しい隊員は事務職などに異動せざるを得なかった。

 一方で救急出動件数は、2018年に約1万6600件で過去最多となるなど増加傾向が続く。高齢化が進む中で今年は猛暑による熱中症搬送も多く、年間約1万8千件ペースで最多を更新する勢いという。

 日勤救急隊は増加する救急出動に対応し、現場で活動する人材確保が狙いで、今月3日からスタート。12番目の救急隊として午前8時半から午後5時15分まで勤務する4人が配属され、運用開始8日間で急病人の搬送など18件出動した。

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