一乗谷朝倉氏遺跡活用推進協議会(事務局・福井県)は、ガイドアプリ「戦国時空伝」を開発し提供を始めた。衛星利用測位システム(GPS)を活用し、朝倉館や平面復原地区など福井市の朝倉氏遺跡内の設定スポットに近づくと、拡張現実(AR)や仮想現実(VR)技術で戦国時代の情景を再現。テキストと音声による解説もあり、楽しみながら遺跡の理解を深めることができる。
国の特別史跡、特別名勝、重要文化財という全国に6カ所しかない3重指定となっている貴重な遺跡を、アプリを使って楽しみながら巡ってもらおうと開発した。事業費は約5400万円で3分の2は国の補助金を活用。福井県立一乗谷朝倉氏遺跡博物館の開館に合わせ、10月1日にサービスをスタートした。
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アプリの地図上に▽AR・VRリアル再現▽一乗谷歴史解説▽朝倉宗滴解説▽銭集め―のスポットが表示される。
リアル再現は朝倉館や平面復原地区などに9カ所あり、AR・VR技術で当時の情景を再現する。歴史解説では主要なスポット58カ所をテキストと音声で解説。その場所から出土した遺物も紹介される。軍奉行の宗滴が防御施設を解説する動画もある。銭集めスポットに行くと「銭」を獲得でき、戦国時空伝オリジナルのデジタル絵札とアプリ内で交換できる。
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アプリに現れる戦国時代の人々との写真撮影も可能。別売りの特製VRゴーグルをスマホにセットすれば、一乗谷の俯瞰(ふかん)した映像を鑑賞できる機能もある。アプリはグーグルプレイとアップストアから無料でダウンロードできる。
県文化課の担当者は「これまで歴史に興味がなかった人も楽しめるアプリ。ぜひダウンロードして遺跡散策を楽しんで」と呼び掛けている。