名物駅弁の崎陽軒仕込み「フクイシウマイ」への挑戦 福井の九頭竜まいたけ、へしこ…商品化へ始動

3種類のシューマイ作りに挑戦する参加者=10月20日、福井県福井市のエルパ

 新たな福井名物「フクイシウマイ」の開発を目指すワークショップが10月20日、福井市内で開かれた。福井県内の飲食事業者らが名物駅弁の「シウマイ弁当」で知られる崎陽軒(神奈川県横浜市)の助言を得ながら、へしこやふくいポークなど県産食材を使ったうまみあふれるシューマイ作りに挑戦。北陸新幹線県内開業を見据え、各店が商品化に向けて始動した。

 県は今年7月、首都圏での魅力発信に向けて崎陽軒と相互協力協定を締結。その一環でワークショップを開いた。

⇒新たな福井名物「ふくいシウマイ」の野望

 エルパのコミュニティーキッチン「Foodies Hub」に飲食店やスーパー、弁当店などの29人が集まった。崎陽軒広報・マーケティング部の西村浩明部長は、100年近いシューマイ販売の歴史を持つ同社の変遷を解説。「シウマイは変幻自在。うまみや食材によって味を変化できる。福井にはおいしいものが多い。既にある名物をシウマイに活用することで、名物を再フォーカスするチャンスになる」と語った。

 同社R&D室の津久井瞳室長は味の秘訣や冷めてもおいしい工夫を紹介した。参加者は九頭竜まいたけ、トマト、へしこを使った3種類のシューマイ作りに挑戦。三つの食材をそれぞれふくいポークや鶏肉などと丹念に混ぜ、皮でしっかりと包み蒸した。

 福井市でシーフードレストラン「オーシャンズ」を営む大坂幸太郎さん(54)は「シューマイは各飲食店でアレンジしやすく面白い。貝のだしを使ってメニューを開発していきたい」と意欲的だった。ワークショップは21日も開かれる。

 来年1月まで各店でフクイシウマイの開発・商品化を進める。2月に披露し、3月の販売開始を目指す。県ブランド課は「フクイシウマイプロジェクト」の参加事業者を募っている。

 県は崎陽軒と連携し、県産食材を使った弁当を開発するプロジェクトも進めている。新幹線開業1年前の来年春や開業時の2024年春、大型観光キャンペーン「北陸デスティネーションキャンペーン」が開催される24年秋に首都圏の駅や百貨店などで販売する計画。

© 株式会社福井新聞社