積み上げて建物を作ったり、たくさん並べて倒したり。子どもたちが夢中で遊んでいる積木が今回のしずおか産です。
<落合製材所 落合智美さん>
「私たちの製材所では大井川流域の木で積木を作っています」
静岡県島田市で70年以上続く落合製材所です。島田市は大井川とともに発展し、かつて「木都(もくと)」と言われたほど、製材業が盛んな町でした。落合製材所は、大井川流域の山で育ったスギやヒノキの製材や山林の管理などをしています。
<落合製材所 落合智美さん>
「たくさんの人に大井川流域で育った木に触れてもらいたいという気持ちからスタートしました。積木だったら小さなお子さんから触っていただけると思い積木を始めました」
製材業が盛んだった大井川流域の町。地域に暮らす人たちにとって、木材はとても身近な存在でした。しかし、今では地元の木に触れる機会は少なくなりました。
積み木には大井川沿いの山の恵みがたっぷりと詰まっています。
<篠原大和カメラマン>
「あ、思ったより軽いです」
<落合製材所 落合智美さん>
「軽いんです」
<篠原大和カメラマン>
「すごく優しい感じの積木ですね」
<落合製材所 落合智美さん>
「積木はブナなど硬くて重い木を一般的には使うことが多いけど、ヒノキを使っているのでやわらかくて温かみのある感じが特徴です」
そして…。
<落合製材所 落合智美さん>
「ヒノキなのでいい香りがします」
積木づくりには大切な作業があります。
<積木担当 松本未来さん>
「面取りの作業をしています。ここをヤスリで角をなくすように手作業で行っています。小さなお子様のことを思いながら楽しく安全に使っていただきたいので一個一個触りながら作業をしています」
積木には塗装はしません。「ヒノキの木目や香りを知ってほしい」という思いがあるからです。落合製材所では、地元の木で子どもたちに思いっ切り遊んでもらおうと、18年前から1万個の積木を使ったイベントを行っています。保育園などのイベント用に作った積木ですが、「家でも楽しみたい」という声を受けて、家庭向けのものを作りました。
積み木で遊んだ子ども>
Q.積木で遊んでどうですか?
「最初、子どもっぽい遊びだと思っていたけど案外楽しかったです」
「四角や丸とか三角でいろんなものを作れたりとか様々なものができて楽しかったです」
積木の形は5種類あって、遊び方は無限大です。落合さんには、積木の楽しさの他にも伝えたいことがあります。
<落合製材所 落合智美さん>
「ここは島田市なんですが、弊社で伐採作業をしています。今こうして山の仕事をする人がすごく減っているので、全国的にも手が入らない不健康な山が増えていると思います。大井川流域の山がもっと元気になるように積木を通して森の大切さや山の仕事にも興味を持ってもらえたら嬉しいです」
製材所が作る積木は、自然に感謝する気持ちを込めた、しずおか産です。