マスク着用ルールを定めるべきなのか…メリット・デメリットを視聴者と議論

TOKYO MX(地上波9ch)朝の報道・情報生番組「堀潤モーニングFLAG」(毎週月~金曜7:00~)。10月17日(月)放送の「GENERATION」のコーナーでは、視聴者を交え“マスク着用ルール”について議論しました。

◆マスクはつけるべきか・外すべきか…子どもへの影響は!?

10月6日、岸田首相はマスク着用に関し「世界と歩調を合わせた取り組みをしていく」と新たなルール化を検討する考えを示しました。

一方、政府の水際対策が大幅に緩和された11日、加藤厚生労働大臣は「(マスク着用ルールは)国民のみなさんと十分共有できている状況とは言い難い」と述べ、「現在のルールを周知徹底する」と新たなルールに関しては消極的な考えを明らかに。

また、自民党の世耕参院幹事長からは「外国人観光客を受け入れるうえで、日本の厳しいマスクのルールを緩和する必要がある」との発言もありました。

◆マスク着用ルールについて、Z世代&視聴者の意見は?

Twitterの「スペース機能」を活用して幅広い世代の視聴者に参加してもらい、番組に出演するZ世代のコメンテーターとひとつのニュースについて議論する「GENERATION」。この日のテーマは"マスク着用ルール”。

キャスターの堀潤の周囲でもマスクをつける派・つけない派、双方おり、時に両者の仲が険悪になってしまうことがあり、「非常に残念」と思いを述べ、マスク着用をルールで縛るべきかについては「議論したい」と話を振ります。

株式会社ABABA代表の久保駿貴さんは、基本的に「つけたい人はつければいいし、つけたくない人はつけなければいい」と自身の考えを述べます。ただ、昨年はマスク着用によってインフルエンザ拡大が免れたという話もあることから、冬の時期や病院内ではつけるなど、一部においてルールが「あってもいいのでは」と久保さん。

臨床心理士のみたらし加奈さんは、「例えば、映画館などでは施設が決めたルールに従わなければいけない場合もある。映画館なら会話することもないので外したときに、映画館はマスクをつけている人が多いから安心して来れているという人も中にはいるかもしれない。どこのルールに従えばいいのか明言してほしい」とルールの基準の明確化を希望。

NPO法人「あなたのいばしょ」理事長の大空幸星さんは、みたらしさんが語るような問題が考えられるからこそ「ルールを画一的に設けることは非常に難しい」と指摘。その上で「僕はルールではなく、個人の自由で判断されるべきものだと基本的には思っている」と自身の考えを明らかにします。

ただ、注意すべき点として挙げたのは子どものマスク着用について。なぜなら、子どもたちは自分たちでつける・つけないを判断することができないから。大空さんは「大人から言われたらつけざるを得ない」、さらに「子どもたちに限って言えば、発達への影響も出てくる。人間は言葉だけでなく表情や息遣い、声のトーンなど非言語でもコミュニケーションをとっている。そういう状況を変えるためには、大人たちが『もう(マスクを)つけなくていい』と言うことは大事」と力説します。

スペースに参加している視聴者からは、大空さんが指摘する子どもへの影響、みたらしさんが言う映画館などでの安心感、どちらも共感できるなかで「マスクのつける・つけないをルール化してしまうのは危険では」という意見が。その一方で、「とりあえず、インフルエンザの季節は人混みの中ではつけましょうということで仕方がないと思う。その後は正しい情報をみんなで共有できれば外せると思う」との声もありました。

◆視聴者の意見では、緩和・現状維持の意見が拮抗

岸田首相は10月9日、三重県で行われたF1グランプリのセレモニー(屋外)にマスクを外して参加。そして翌日、鹿児島県での全国和牛能力推進会閉会式(屋内)では、パーテーションが設置された中、マスクをつけずに参加するなど、マスク着用緩和に積極的な様子が伺えます。一方で、加藤厚労大臣はルール作りに消極的です。

ある程度のコンセンサスのもと、個々人で判断するべきなのか。キャスターの田中陽南は「コンセンサスを作っていくのは難しいと思う。個人で決めるにしても、やはり何かしらルールが欲しい。咳が出ているときやしゃべるときはマスクをつけるなど判断の基準が欲しい」と話します。

これに大空さんは「風邪の症状があれば家にいてくださいが正しい」と強調します。体調が悪い中でも出社しなければいけないという「日本の状況がおかしい」と指摘。休みやすい社会作りを望み、「少し熱があってしんどいのであれば(大事を取って)家に居る。元気な人がマスクを外して外に出られる。これが本来の理想であり、それが自分たちで予防していくことなのでは」と主張します。

また、みたらしさんも大空さんが懸念する子どもへの影響に関し、「専門家でもまだ計り知れていないところがある」と案じます。「マスクを顔の一部分として認識してコミュニケーションしているのか、それとも私たちと一緒で隠されていると認識してコミュニケーションしているのか。そこも含めて私たち専門家が研究していかなければいけない」と課題を示しつつ、もしもルールを決める場合にはPCR検査の無料化や医療機関の状況を把握できるようにするなどの施策を希望します。

番組Twitter上で「マスク着用ルール」についてアンケートを実施したところ、「緩和すべき」44%、「現状維持」45%、「強化すべき」4%、「その他」7%という結果となり、「緩和すべき」と「現状維持」が拮抗。また、ここまでの意見を聞いた上で、スペースに参加する視聴者からは「ルールを決めたところで、守る人もいれば、守らない人もいる」といった声もありました。

そして、久保さんからは「具体的なルールを作ってほしい」という意見も。なぜなら、現行のルールでは屋外では外してOK、屋内でもOKとなっているものの、一部の施設ではマスクをつけるよう強要され、政府の意見よりもそこのルールが重視される傾向にあるから。「政府には具体的にどのような施設がOKなのか決めてほしい」と切望。

これに大空さんは「そうなると完全なルール社会になってしまう」と異論を唱えます。「個人の自由であらゆる行動をしていくという現代社会の本質、原則をおろそかにされてしまう」と危惧すると、久保さんはルールを具体化しないと「外せない人がいる」と声を大にします。久保さん自身、そこに苦しんでいるようで「僕は(マスク着用を強要される場所を)通過するためにマスクを常備しているが、それにどんな意味があるのか」と自身の思いを述べました。

世間では、コロナの第8波に備え、まだまだマスクが必要という声もあります。そして、番組Twitterには「結局は自分のルールを他人に強要しないでねという点を確認し合いませんか」といった声もあり、これに堀は「全くその通り」と頷いていました。

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<番組概要>
番組名:堀潤モーニングFLAG
放送日時:毎週月~金曜 7:00~8:00 「エムキャス」でも同時配信
キャスター:堀潤(ジャーナリスト)、田中陽南(TOKYO MX)
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/variety/morning_flag/
番組Twitter:@morning_flag

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