コンパニオン宴会、温泉宿泊中の消防団…交付金と市費で 毎年消防に1千百万円超の交付金、100万円減へ

久喜市役所=久喜市下早見

 消防団が交付金を使いコンパニオンを同席させ酒を飲んだとして、埼玉県久喜市は20日、不適切な交付金の支出があったことを明らかにした。

 問題となったのは、市消防団が2019年6月に群馬県で実施した宿泊研修。消防団の幹部40人が参加し、渋川市の伊香保温泉に宿泊した際、コンパニオンを交え酒席を開いていた。

 市によると、宿泊、飲食代は1人当たり2万8100円。多くの参加者の代金は、市が消防団に支出する交付金と市費から支払われていたという。

 20年の監査で交付金の支出について「社会通念上妥当とは言い難く、また公金の使途として納税者の理解を得にくいリスクがある」との指摘を受けた。

 市は市消防団本部、各分団などに毎年計1192万円の交付金を支出。会議や研修、備品の購入などとは別に、宿泊研修への参加費として活用されていたという。

 市は問題を受け、交付金の使用目途を明確にするため要綱を書き換え、来年度以降の交付金については約100万円減らす方針。市消防防災課は「消防団は地域の防災のためになくてはならない存在だが、(問題は)あってはならないこと」としている。

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