ドラフト会議 古川雄大(佐伯鶴城3年)が2位指名で埼玉西武へ 球界最強バッターを目指す 【大分県】

球界最強バッターへの道が開かれた。プロ野球ドラフト会議で佐伯鶴城高校の古川雄大が、埼玉西武ライオンズから2位で指名された。「小さい頃からプロを目指していた。ここで(上位で)指名を受けるとは思っていなかった。高く評価してもらえたことがうれしい。将来は三冠王を取りたい。僕がプロ野球選手から夢を与えられたように、与えられる選手になりたい」と思いがあふれた。

186cm、90kg、高校通算21本塁打、走攻守の3拍子そろった大型外野手として12球団から注目されていた。夏の大会では50メートル6秒フラットの俊足と遠投100メートルを超える強肩を存分に発揮した。チームは準決勝で敗れ、目標の甲子園出場を逃し悔し涙を流したが、次の日から金属から木製のバットに持ち替え、プロ野球選手になるために気持ちを切り替えた。数々の教え子をプロ野球へ送り出した渡辺正雄監督は「僕がこれまで指導した選手の中で、身体能力の高さはずばぬけている。もう、こんな選手に出会うことはないんだろうなと思う」と絶賛する。

ドラフト会議当日は、朝から緊張していた。朝食も昼食も喉を通らず、運命の瞬間を持った。埼玉西武から指名を受けると、校舎の外で吉報を待っていた仲間の喜ぶ声が聞こえた。「小・中学の頃から一緒に野球をしてきた友だち。甲子園に行けず悔しい思いをしたので、彼らの分まで頑張りたい。彼らがいたから頑張れた、ありがとうと伝えたい」と感謝した。安堵(あんど)で緊張が和らいだのか、「お腹が空いてきた。すしを腹いっぱい食べたい」と周囲を笑わせた。

2位指名を受けて、表情を和らげた古川雄大

小学3年生のときに、父・敏雄さんの勧めで地元の佐伯市で野球を始めた。「小さい頃から足は速かった。器用な子ではなかったが、5年生の頃から打球が飛ぶようになった」と敏雄さん。中学を卒業するまで、息子の練習に付き合い支えた。母・メロディさんは「小さい頃から優しく、よく食べる子だった」と懐かしむ。夢をつかんだ息子に、敏雄さんは「ようやくスタート地点に立っただけ。これから厳しい世界が待っている」と強い言葉を掛けたが、本音は「けがをせず、1年でも長く大好きな野球を続けてほしい」と願う。

来年1月の入寮までに、最高の形で自主トレに入れるように体を仕上げる。古川は「まだまだ体を鍛えて大きくして、技術のレベルを上げたい。プロ1年目となるが、パワーとスピードをアピールして1軍で活躍したい」と誓った。

幼い頃からの夢を掴み、仲間と共に喜んだ

(柚野真也)

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