「全国旅行支援」東京でも開始 期待高まる一方で混乱も…許可は“前日の夜”

いよいよ「全国旅行支援」が東京でもスタートしました。街からは期待の声が上がる一方、準備を進める事業者の間では混乱も起きています。

10月20日から東京都でも始まった「全国旅行支援」に、街からは"観光の復活”への期待の声が聞こえてきます。浅草にあるフルーツサンド店は「クーポンを大いに利用してもらって、お店の繁栄にもつながってありがたい」と話していました。また、都内の観光ツアーを扱う「はとバス」もすでに支援の効果を実感しているようです。はとバスは全国旅行支援の開始に合わせ、支援の対象となる8つのコースを用意しています。20日午後1時半の販売開始以降、午後6時までにすでに1000人以上の予約が入っているということです。特に人気なのが「全国旅行支援」に加えて「都民割」が併用できるプランで、すでに満席となっている日も出ています。はとバス広報室の棟近美南さんは「やっと東京も割引の対象として販売できるようになったことは大変うれしい。多くの予約の電話を頂いている」と話しています。

さらに期待の声は浅草の着物のレンタル店でも聞かれました。浅草・着物レンタル大吉の大友雄介店長は「待ちに待った東京バージョンがついに始まったという思い」と話します。浅草ではゴールデンウイークごろから国内からの観光客が増えていて、今回の支援制度をきっかけにさらに客足が戻ってくるのではと期待が高まっています。

しかし、その一方で困った事態も起きていました。この店では10月12日に旅行支援の加盟店になる申請をしていましたが、許可が下りたのは東京都の全国旅行支援が始まる前日の夜中だったということです。浅草・着物レンタル大吉の大友店長は「加盟店の申請の許可が下りたというメールをもらったのは、前日の夜中」と話し、さらに「幾つか質問したが、全ては答えてもらえなかった。東京都の担当者が分からないなら、クーポンを使える店の者にしてみれば『分からないことが何か分からない』という、不安の中でのスタートだった」と話しました。また、東京都から届くといわれていた掲示用のポップやポスターはまだ届いておらず、必要な備品は全て手作りです。

大きな期待の一方、課題も浮き彫りとなっている東京都の全国旅行支援=『おかえり東京プラス』ですが、東京都の小池知事は「最初はトラブルが幾つかあったが、いまは順調に進んでいる。東京でのサービスを利用したいという人がたくさんいるという期待の表れだと思う。これからも応募してもらいたい」と話しています。

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