【宇都宮】新型コロナウイルスの影響で、市販品を家で食べる「中食」の需要が高まる中、市は宇都宮大、スーパーたいらやと、塩分控えめで野菜を多く取れる「減塩・野菜(ベジ)増し弁当」3種類を共同開発した。おいしさと健康を両立した商品で、考案した学生らが21日、市役所を訪れ、佐藤栄一(さとうえいいち)市長に披露した。弁当は11月以降、たいらや県内全27店舗で順次販売する。
「自然に健康になれる食環境づくりの推進」の一環。県民的課題である塩分の取り過ぎと野菜不足に対応した弁当を開発しようと、3者が今年5月に検討を始めた。
同大地域デザイン科学部コミュニティデザイン学科3年の6人が中心となって弁当のコンセプトやレシピを考案。市の管理栄養士やたいらやの社員らの助言を受け、他の学生や関係者の意見も聴きながら、試作を繰り返した。
完成したのは、栗や秋サケなど秋の食材を取り入れた「彩楓(いろは)弁当」、肉、魚、デザートまで味わえる「フルコース弁当」、人気の定番「生姜(しょうが)焼き弁当」の3種類。それぞれ約120~150グラムの野菜を使用しながら、食塩相当量を3グラム以下に抑えた。
佐藤市長はメモを取りながら試食し「栄養素がバランス良く入っていて、彩りも素晴らしい」と感心した様子。たいらやの平典子(たいらのりこ)社長(56)は「より多くのお客さまに食べていただきたい」と話した。
同大の佐藤結奈(さとうゆいな)さん(20)は「普段、健康を意識していない人にも『おいしそう』と思って手に取ってもらえたら」と期待。学生はインスタグラム(@obentouukitchen)で弁当の情報を発信している。
彩楓弁当は11月17日から、フルコース弁当は来年1月、生姜焼き弁当は同3月に販売する。価格は調整中。彩楓弁当は、11月13日に宇都宮城址(じょうし)公園で開く「うつのみや食育フェア」でも販売する。