交際女性死なせた60歳男…懲役15年の判決 責任能力で争うも「自分の行動を分かっていた」と認定

さいたま地裁=さいたま市浦和区高砂

 2020年7月、埼玉県さいたま市緑区のアパートで女性=当時(46)=の首を絞めて死なせるなどしたとして、傷害致死などの罪に問われた、同区東浦和5丁目、無職、被告の男(60)の裁判員裁判の判決公判が21日、さいたま地裁(金子大作裁判長)で開かれ、金子裁判長は懲役15年(求刑・懲役18年)を言い渡した。

 判決理由で金子裁判長は、女性が被告方から外出したり、他人に接触したりしていないことなどから、「被告が女性の首をベルトで少なくとも数分間絞めた」と断定。犯行態様は「危険かつ悪質で、結果は取り返しのつかない重大なもの。身勝手な犯行というほかない」と指摘した。

 また、防犯カメラの映像から、「被告はコンビニでの買い物中や家に行く途中、足元がふらついたりしていない」などと説明。犯行時、「被告人は酩酊(めいてい)状態ではあったが、意識障害になっていたとは考えられず、自分の行動を分かっていた上で犯行に及んだと認められる」などとし、被告に完全責任能力があると認定した。

 弁護側は犯行時、アルコール依存症による精神疾患などにより心身喪失だったとし、無罪を求めていた。

 判決によると、被告は20年7月1日午後3時9分ごろ~同6時44分ごろまでの間、被告方で交際相手の女性の首をベルトで絞め、頚部(けいぶ)圧迫による窒息死により死なせるなどした。

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