平戸市と宇宙ベンチャー 産業振興、地域活性化で協定 グリーンエネルギーなど4項目

連携協定を締結した眞鍋代表取締役CEO(左)と黒田市長=平戸市役所

 長崎県平戸市とベンチャー企業「SPACE WALKER(スペース ウォーカー)」(東京)は12日、同社の技術や取引先のネットワークを生かし、ものづくり産業の振興と地域活性化に向けた連携協定を締結した。
 同社は2017年12月設立。国内の大手製造業や宇宙航空研究開発機構(JAXA)などと有翼再利用可能ロケットの設計・開発、極低温のロケットエンジン燃料に対応する高圧ガス複合材タンク開発・製造などを手がけている。
 協定は▽宇宙・科学技術教育▽グリーンエネルギーの利活用-など4項目。同日、同市役所であった締結式で、黒田成彦市長は「平戸を選んでもらい光栄。エネルギー、環境問題は避けて通れない。産業構造転換の起爆剤になってほしい」と期待。同社の眞鍋顕秀代表取締役最高経営責任者(CEO)は「日本が培った宇宙開発の技術を世界にアピールし、この分野をリードする会社を目指す」と話した。
 同社は国内外の企業などと連携し、複合材タンクの高強度化と軽量化を実現。宇宙開発の進展やロケット打ち上げ回数増大に伴う再使用可能ロケットの需要拡大を見込む。高圧ガス複合材タンクの製造・販売に向け、9月、同市内に長崎工場を稼働させた。複合材タンクは国内最大級の専用機械を導入して製造し、政府が全国で進める水素ステーション整備に必要なタンクに応用が可能という。今後、設置や更新の需要増加が見込まれる。


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