【仙台近く】水産グルメと歴史ある神社が魅力!港町・塩竃の見どころ

海の幸と歴史の街、塩竃市

塩竃(しおがま)市は、日本三景のひとつ・松島湾と東北一の大都市・仙台市の間にあり、漁業と塩作りで有名な街です。

太平洋沿岸に発展したこの街は、1000年以上の歴史を有しています。平安時代、「塩竈」という地名は歌枕(※1)として和歌に詠まれていました。月明かりに照らされながら波の上に浮かぶ小さな舟、苦労して海水を汲み塩作りをした人々の流す涙……。「塩竈」は、そんな連想をうながす地名だったのです。

平安時代の資料にも登場する「鹽竈(しおがま)神社」は、現代まで残っており、この町の豊かな歴史を今日まで伝えています。本記事では、鹽竈神社をはじめとする塩竈市の見どころと、この街の水産グルメを紹介します。

マグロの競りや体験型展示が見られる「みなと塩竈市魚市場」

みなと塩竈市魚市場では、塩竈の海で水揚げされた魚が、卸売業者に対して競りで販売されます。

5~12月に早朝に訪れれば、マグロの競りが見ることができます。塩竈市ではさまざまな種類のマグロが獲れますが、中でもメバチマグロの漁獲で日本一です。メバチマグロの旬は9~12月頃までです。

塩竈では、地元ブランド「三陸塩竈ひがしもの」が販売されています。これは、鮮度、色、筋と脂のバランス、そしてうまみなどといった条件を考慮した上で、厳選されたマグロです。

マグロの競りは、市場の2Fにある「おさかなミュージアム」から見学可能。また、ミュージアムでは、塩竈市にとっての漁業の重要性や、地域の人々の生活との結び付きが分かる展示もあります。

「おさかなミュージアム」には、楽しい体験型展示もあります。例えば、この3Dマグロパズル! 遊びながら地元の魚介類について学べます。

このほか、漁業や水産加工業に携わる地元の人々の仕事ぶりが分かる動画や写真も展示されています。

早朝に行われるマグロの競りに間に合わなくても、塩竈市魚市場の24時間のタイムラプス動画を見ることができますよ。

「おさかなミュージアム」では、魚や漁業について新しい発見がたくさん待ち受けています!
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おいしい水産品が購入できる「塩釜水産物仲卸市場」

塩釜魚市場からわずか600メートルほどの距離にある「塩釜水産物仲卸市場」では、小売業者が新鮮な魚介類や加工品を一般客に販売しています。地元の食材を購入したい人や、できたての海鮮料理を味わいたい人は必見!

「塩釜水産物仲卸市場」に一歩足を踏み入れたら、魚介類の種類の多さに驚くでしょう。マグロ、サーモンといった魚から、イカやタコ、カキやカニ・エビまで、どのお店にも魅力的な商品が並んでいます。

もちろん、パッケージングされた水産加工品や缶詰、おつまみとして楽しめる乾物なども販売されています。

さらに、各エリアには、新鮮な魚介類を使った料理を食べながらひと休みができる飲食店があります。

絶品海鮮丼を味わいたい人には「加瀬 塩竈市場店」がオススメ。炊きたてのご飯に大ぶりの海鮮が載っており、舌を巻くほどのおいしさです! 上の写真は、3種類のマグロを使った「三色まぐろ丼」。味の違いを楽しんでくださいね!

「加瀬・塩竈市場店」は海鮮丼のほか、寿司も提供しています。漬物と温かい味噌汁も付いているので、お腹を空かせてから行ってみてくださいね。

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オンラインで購入できる塩竈の絶品!「海心」の挑戦

水産物の宝庫・塩竈でつくられた絶品をオンラインショップまたは百貨店のギフトカタログで販売しているのが「海心」。13年前に創業した水産加工会社です。

海心にとって転機となったのは、2011年3月に起きた東日本大震災です。事業スタートから2年後たったばかりの時に、津波によって工場を失い、従業員の親戚も命を落としました。

その後、海心は徐々に回復しましたが、以前商品を扱ってくれていた小売店の顧客の多くも失いました。しかし、「おいしいものだけが残る」という確信を持って、海心は不屈の思いで新商品の開発にチャレンジしたのです。

お家で手軽においしく楽しめる!「海心」のオススメの商品3選

ここでは、海心が誇る3つの商品をピックアップ。どれも、塩竈の海の幸のおいしさをそのまま生かした商品です。海心のオンラインショップから注文できます。

1. 煮魚

海心のもっとも人気の商品のひとつは「煮魚」。味わい豊かな魚料理を冷凍でお届けします。袋ごと熱湯で約10分加熱し、中身をお皿に出すだけで完成です!

その上品な味わいの秘密はタレにあります。香ばしい醤油と調味料を使用したタレは、魚の旨みを絶妙に引き立てています。

海心の煮魚は「きんき煮付」、「めぬけ煮付」、そして「銀たら煮付」の3種類があります。これらは日本酒との相性が抜群!

海心「煮魚」:778円 (税込)

2. 海鮮おこわ「伊達結び」

「おこわ」とは、特別な日に楽しむお祝いのおやつ。もち米を蒸して出汁と混ぜて味付けし、具材と混ぜ合わせてから握ります。形はおにぎりに似ているものの、材料・工程ともに異なります。

おこわは、ひと手間かかるため家庭ではあまり作られていません。多くの人は専門店で注文し、すぐに食べられる状態で受け取ることが一般的です。

海心の「伊達結び」の味付けは海鮮出汁。使っているお米は、宮城県の高級な「だて正夢(まさゆめ)」と「みやここがねもち」です。冷めても固くならないもち米で、最上級の品質と人気を得ています。

「伊達結び」には、プレーン、雑穀米、たこおこわ、ほやおこわ、牡蠣おこわの5種類があります。プレーン味では、海鮮出汁のうまみとお米のもちもちした食感が存分に味わえます。雑穀米のほうは、ヘルシーなおやつです。

海心の「伊達結び」は、冷凍した状態で配達されますが、電子レンジで数分加熱すれば、ふんわりとした香ばしいおやつに大変身! 煎茶を飲みながらゆっくり味わってみてください。ほっとするような味です。

伊達結び: 1個270円(税込)、8個入りのセット3,240円(税込) ※セット商品は日本国内送料無料。

3. まぐろステーキ

「まぐろステーキ」は、魚市場で水揚げされたマグロの柵取りした直方体でない部分を集めて、ステーキにしたもの。「食べられるものは捨てない」。これは水産業に携わる人々の心得です。

海心の「まぐろステーキ」は、あっさりとした味付けが特徴。マグロのうまみを存分に味わえます。電子レンジで数分加熱するだけですぐに食べられる手軽さも魅力で、サラダを添えれば夕飯のメニューにぴったりです。お酒を飲む人は、ハイボールと一緒に味わってみてはいかがでしょうか?

海心のオンラインショップでは、このほかにも、家で手軽に楽しめる商品がたくさんあります。ぜひチェックしてみてください!

海心のオンラインショップ

漁師たちの暮らしを見守る「志波彦神社・鹽竈神社」

魚市場を訪れ、おいしい海の幸を味わった後は、塩竃市を代表する名所「鹽竈神社」と「志波彦(しわひこ)神社」も訪ねてみてください。海の見える高台にあるこの2つの神社は、塩竈市のシンボルとなっています。

鹽竈神社は平安時代の資料などに登場し、その起源は1000年以上昔にさかのぼります。海の神様と漁師の守り神、そして塩作りの神さまがここに祀られています。

志波彦神社は仙台市発祥の神社で、国家発展と農業・産業を司る神さまを祀っています。

毎年7月10日に行われる例祭では、2社の神々を乗せた豪華な神輿が港まで運ばれます。神輿は龍頭と鳳凰頭の2隻の儀礼船に乗せられ、塩竈の沖合を巡航します。海の日に開催される「塩竃みなと祭」の際も、この二つの神輿と儀礼船が見られます。

2社の建物には、拝殿から門に至るまですべて美しい木彫りがほどこされています。生き生きとした細部は、これらの神社の塩竈の人々にとっての重要性を物語っています。時を忘れて、境内の静けさにゆっくり浸ってみてくださいね。

鹽竈神社の境内には、江戸時代の銅鐵合成燈籠があります。この灯籠は1809年、伊達藩九代目の藩主・伊達周宗(だて ちかむね)によって戦勝の際に寄進されました。

境内には「鹽竈神社博物館」もあり、神社が所蔵する貴重な史料が展示されています。祭礼で使われる神輿もここに展示されています。それぞれの重さは1トンにも及ぶのだとか! 16人が力を合わせて神社から階段を下り、港まで運んでいきます。

博物館では、企画展のほかに製塩の歴史に関する常設展示があります。塩は水と並んで、人体に欠かせないミネラルです。また、日本では神社での禊や相撲の儀式などの際に塩がお清めとして使われています。

塩釜港の近くには、橋で陸とつながっている小さな島があります。この島には鹽竈神社の末社となる曲木(まがき)神社があります。島に入れるのは土日祝日のみです。

絶景スポットである曲木神社も、「塩竃」同様、和歌の歌枕となっています。月明かりの下にたたずむこの孤独な島は、多くの歌の中で詠まれました。港に行く時は、近くから眺めてみてください。

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魅力あふれる港町・塩竈の旅を楽しもう!

塩竈では、地元の人々の漁業への愛情と、海との深いつながりをあちこちで感じられます。水産業に対する人々の献身と誇りを目の当たりにすることは、心に深く残る体験となるでしょう。

また、塩竈は、美しい神社と海の絶景も魅力的です。絶品の海の幸も含め、塩竈は海を五感で楽しめる場所。仙台や、電車で約15分で行ける松島湾もあわせて行程に入れれば、東北有数の景勝地を巡る旅になります。

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