田中みな実に負けないあざとかわいさ!美人女優 坂口良子が歌うセクシーソング  10月23日は坂口良子の誕生日

作詞は松本隆。坂口良子のセクシーソング「まるで少年のように」

1980年頃、女優が歌うセクシーソングの代表が、79年の松坂慶子「愛の水中花」と80年の多岐川裕美「酸っぱい経験」だ。音程はやや不安定だが、そんなことはいいじゃないかと思える表現力と吐息交じりの歌唱が、歌の世界をつくり上げていた。

この2曲に続くセクシーソングとして挙げたいのが、82年の坂口良子「まるで少年のように」だ。「愛の水中花」「酸っぱい経験」ほどヒットはしなかったが、私はこの曲が好きで、今もたまに口ずさむ。

 恋をした女は 妹になり 姉になり
 恋をした女は
 そして最後に母親になる
 いいわ いいわ いい夢見ても
 私のひざに頭をのせて
 まるで少年のように
 まるで少年のように

松本隆が書いた歌詞は、美女に甘えたい男の願望が全開。2番では、「私のひざに頭をのせて」が「私の胸に顔をうずめて」となる。だが、坂口良子がかわいすぎて、そんなことはまぁいいかという気になる。そして、坂田晃一が作った切ないメロディは、愛娘を遺して早世した坂口と重なって、今聴くとちょっと胸がギュッとなる。

70年代から “あざとかわいかった” 坂口良子。代表作は「池中玄太80キロ」

『西田敏行の出世作「池中玄太80キロ」えっ!小太り三枚目の主演ドラマ?』でも書いたが、女優・坂口良子の代表作として忘れ難いのが『池中玄太80キロ』。もちろん、その他にも多くの名作ドラマや映画に出演していたが、“池中玄太” 以前の彼女は、可憐だが、あざとかわいい。そんな印象を私は持っていた(その頃に、“あざとかわいい” なんて言葉はないけど)。

あざとかわいさ全開なのが、1975~76年に放送されたドラマ『前略おふくろ様』のかすみちゃん。サブ(ショーケン)の優柔不断さに苛立ち、すねたりふくれたり、上目遣いで見つめたりといった表情は、田中みな実に負けないあざとかわいさ。当時の男性たちはたまらなかっただろう。

1976年に公開された映画『犬神家の一族』での、宿の女中・はる役も忘れ難い。おどろおどろしい映画の中で、唯一ホッとできるのが、はると金田一耕助(石坂浩二)の場面であった。

「全部私が作ったの。何が美味しかった?」 金田一の「生卵」という答えに「もうっ!」とふくれたり、金田一がかきむしった頭からこぼれた大量のフケにびっくりしたり。本筋にはまったく関係ないキャラクターなのだが、はるの愛らしさがなかったら映画の印象は大きく違ったと思う。

酒屋でニアミス? ご近所さんだったリアル坂口良子

実は坂口良子、ご近所さんだったことがある。最初の結婚前の80年代中頃、私の実家から徒歩3分くらいにある一軒家に、お母さんと2人で住んでいたらしい。私は会ったことはないのだが、近所の酒屋でニアミスはあった。

「ちょっと聞いてよ! さっき坂口良子さんがワインの栓抜きを買いにきたんだけど、お父さん、うちで使ってる栓抜きあげちゃったのよ」

私がお使いで、父のウイスキーを買いに行くと、いつもはにこやかな酒屋のおばさんが少しプリプリしている。酒屋のおじさん、どうやら坂口のあまりの美しさに舞い上がってしまったらしい。おばさんがプリプリふくれても、おじさんは「えへへ」と笑うばかり。

そりゃあんな人にウィスパーボイスで「ワインの栓抜きください」って言われたら、あげちゃうよね…… と思ったが、おばさんの手前、そのことは口に出さなかった。

※2021年3月26日に掲載された記事をアップデート

カタリベ: 平マリアンヌ

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