新九頭竜橋ついに開通、真横に北陸新幹線の線路「近くてびっくり」 福井市北部の渋滞緩和に期待

北陸新幹線と一体構造の県道新九頭竜橋を通る車両=10月22日午後4時20分、福井県福井市上野本町(日本空撮・小型無人機ドローンで撮影)

 北陸新幹線橋と一体構造で福井県福井市の九頭竜川に架かる新九頭竜橋(全長415メートル、幅37.7メートル)が10月22日、開通した。約400人が開通式典に参加、福井市北部の国道8号や芦原街道などの交通渋滞緩和を期待する声が聞かれた。午後4時に一般車両の通行が始まると、新幹線橋近くを車が次々と走り抜けた。開通を記念し、新九頭竜橋をコースにした「開通メモリアルラン」も行われた。

 新九頭竜橋は、九頭竜川右岸の上野本町と左岸の中藤新保町を結ぶ。中央部に新幹線橋、その両側に片側2車線の県道、さらに外側に歩道が通る構造で、新幹線と道路が橋脚を共有する全国初の一体橋となっている。整備費は新幹線部分を除き約100億円。22日は橋を含む県道福井森田丸岡線の約2.2キロ(福井市栗森町-寺前町)が開通した。このうち暫定2車線だった栗森町-上野本町間(640メートル)は4車線に切り替わった。

 開通式典が森田小学校体育館で開かれ、杉本達治知事や福井、坂井、あわら各市長、福井県選出の国会議員らが出席。杉本知事は「渋滞緩和への期待が大変大きい。新幹線の横を多くの車が走り抜けていくのも特長。ふくい桜マラソンのコースにもなる」とあいさつし、誘客効果にも期待しているとした。

 橋の両端には福井市の書家、吉川壽一さんが橋の名称を揮毫した親柱が設置された。右岸でテープカットした後、森田地区と中藤島地区の三世代家族を先頭に、左岸に向けて渡り初めが行われ、住民らも眺めを楽しみながら歩いた。森田小学校5年の男児は「思っていたより新幹線(の線路)が近くてびっくりした。新幹線が通るのが楽しみ」と話していた。

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 福井県によると、九頭竜川に架かる周辺の福井大橋、九頭竜橋、天池橋、高屋橋の四つの橋の1日の交通量は計約11万台。新九頭竜橋の将来的な交通量は約3万台を見込んでいる。

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