このまま終わればトヨタがWチャンピオン獲得。オジエ、WRCスペインでのリードを拡大し最終日へ

 10月22日、WRC世界ラリー選手権第12戦『ラリー・スペイン』の競技2日目が、スペイン北東部のサロウを中心に行われ、TOYOTA GAZOO Racing WRTのセバスチャン・オジエ/ベンジャミン・ヴェイラス組(トヨタGRヤリス・ラリー1)が総合首位の座を守った。チームメイトのカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(トヨタGRヤリス・ラリー1)は総合3番手、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(トヨタGRヤリス・ラリー1)は総合6番手につけている。

 ラリー・スペインのデイ2は、サービスパークの北~北東エリアで3本のステージを各2回走り、1日の最後にサロウの海岸近くでショートステージを1本走行する、全7ステージ合計118.75kmが予定されていた。しかし、午前中最後のSS11が、ガス・グリーンスミス(フォード・プーマ・ラリー1)のアクシデントによってキャンセルとなったことから、実際には計6ステージで争われることとなった。

 この日は曇り時々晴れの1日となり、路面は一部が湿っていたものの全体的にはドライコンディションで、金曜日よりもグリップレベルが安定していた。

 ラリー初日にトップに立ったオジエは、デイ2でも好調を維持。午前中はオープニングのSS9で2番手タイムを、SS10ではベストタイムを記録し、総合2位につける新王者ロバンペラとの差を9.7秒に拡げてみせる。
 
 さらに、ミッドデイサービス後の午後のループではSS12、SS13と連続でベストタイムをマークし、僚友とのタイム差を15.9秒とした。1日の終盤も2本のステージをそれぞれ3番手タイムで走りきり、総合2番手に順位を上げたティエリー・ヌービル(ヒョンデi20 Nラリー1)に20.7秒という大きな差をつけてラリー最終日に駒を進めている。

 一方、ロバンペラはオープニングから安定した走りで3番手タイムを刻み続け、総合2番手の座をキープしていたが、SS14で大きくタイムを失い、続くSS15で総合3番手にポジションを落としてしまう。なお、2番手ヌービルとのギャップはわずか1.4秒だ。

 デイ1でタイヤにダメージを負って大きな遅れをとったエバンスは、午前中のステージで“地元のスター”ダニ・ソルド(ヒョンデi20 Nラリー1)と総合5番手の座を激しく争うことに。しかし、サービス後にスピードを上げたソルドと対照的に、エバンスは思うようにペースが上げられず。結果、前日と同じ総合6番手でデイ2を終えることとなった。

セバスチャン・オジエ/ベンジャミン・ヴェイラス組(トヨタGRヤリス・ラリー1) 2022年WRC第12戦ラリー・スペイン

■トム・フォウラー「カッレが遅れてしまった理由は現在分析中」

 エバンスと同じく初日にタイヤトラブルに見舞われた、TOYOTA GAZOO Racing WRTネクストジェネレーションから出場している勝田貴元/アーロン・ジョンストン組(トヨタGRヤリス・ラリー1)は、SS14で4番手タイムを記録するなど健闘。総合8番手を堅守している。

「ここまでの戦いにはとても満足している。マニュファクチャラー選手権の獲得はもちろん重要だが、セブ(セバスチャン・オジエ)がいい走りをして、この素晴らしいスペインのラリーステージでトヨタGRヤリス・ラリー1の実力を証明してくれているのもうれしいことだ」と語るのは、車両設計を担当したテクニカル・ディレクターのトム・フォウラー。

「彼は本当に強く、モチベーションも非常に高く、それはチームにとっても素晴らしいことだ。明日どのように戦うべきか、彼はもちろん理解している」

「最後から2番目のステージで、カッレ(・ロバンペラ)が他のドライバーより数秒遅れてしまった理由については現在分析中だが、ちょっとした不具合だと思うし、明日彼のクルマは最後までいい戦いができると信じている」

 競技最終日となる23日(日)のデイ3は、サービスパークの西側エリアで2本のステージをミッドデイサービスを挟んで各2回走行する。このうち最終ステージのSS19“リウデカニエス2”は、トップ5タイムを記録した選手とマニュファクチャラーに、ボーナスポイントが与えられるパワーステージだ。SS16~19の合計距離は56.10km、リエゾン(移動区間)も含めた総走行距離は261.55kmとなっている。

勝田貴元/アーロン・ジョンストン組(トヨタGRヤリス・ラリー1) 2022年WRC第12戦ラリー・スペイン
エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(トヨタGRヤリス・ラリー1) 2022年WRC第12戦ラリー・スペイン

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