全日本実業団対抗女子駅伝(11月27日・宮城県)の予選会は23日、福岡県の宗像ユリックス発着の6区間42.195キロで行われ、パナソニックが2時間18分6秒で制し、天満屋は2時間18分45秒で3位に入った。上位16チームが本大会の出場権を獲得し、天満屋は創部から31年連続31度目の出場を決めた。
1区小原怜がトップと1秒差の2位と好発進した天満屋は2区以降、5位以内をキープ。東京五輪マラソン代表のアンカー前田穂南が4位から順位を一つ上げてゴールした。
パナソニックは、3位でたすきを受けたアンカーの信桜空が区間賞の走りでトップに躍り出た。九電工が2時間18分12秒で2位。
本大会は前回入賞したシード8チームを加えた計24チームが争う。
小原“復活” 名門の総合力示す
31年連続となる全日本切符を危なげなく手中にした。終始、上位を維持した天満屋は3位。コンディション不良の選手が複数いた中でも総合力を示し、武冨監督は「先輩から後輩に経験を伝えるなど、選手同士で駅伝への意識づくりをしてくれた」と及第点を与えた。
1区で流れをつくったのが大きかった。記録会を除けば、1年前のこの大会以来のレースとなった小原が“復活”の好走。「久しぶりで緊張したけど、いろんな人の助けでここに立てた。使命感があった」と言う32歳はトップと1秒差の2位でたすきをつないだ。
ベテランの奮起に後続も応える。外国人がひしめく4区を担った大卒新人の吉薗は「練習でやってきたことを信じ、自分の走りに集中できた」と日本人1位の力走。仕上げは、こちらも久々の実戦となったアンカー前田だ。「しっかりリズムをつくって粘ることができた」。万全とは程遠い状態ながらも4位から3位に浮上し、役割を果たした。
ただ、日本一の歓喜を知るチームにとって、予選会は通過点にすぎない。昨年の本大会は12位で2年続けて入賞を逃した。「本番までに一人一人が力を付け、必ず(上位8チームの)シードを奪還する」と主将の大東。残り1カ月、名門の底力が試される。