今シーズン限りで現役を引退する横浜FCの元日本代表MF中村俊輔。
ラストマッチとなった明治安田生命J2リーグ最終節、ロアッソ熊本戦に多くのファンが駆け付けた。
日本代表でも数々のスーパープレーを見せてくれた天才レフティ。
そんな彼の後を追うことが期待される、これからの日本を背負って立つレフティ3名をピックアップした。
堂安律
堂安律は今シーズン移籍したドイツのフライブルクでレギュラーを獲得。
11節終了時点でウニオン・ベルリン、バイエルン・ミュンヘンに次ぐ3位と好調なチームで躍進の一翼を担っている。
フライブルク史上2位とされる移籍金に違わぬ活躍ぶりだ。
少し前は右サイドでのプレーに“自分”が入りすぎていたが、現在はチームプレーヤーとして成長。守備でのインテンシティが向上し、個としても持ち前の突破力が復活した。
ここに来て伊東純也からポジションを奪わないばかりの充実ぶりを見せており、24歳のレフティの今後がますます楽しみとなっている。
久保建英
中村俊輔と同じく、10代の頃から「天才」の名をほしいままにしてきた久保建英。
しかし2019年にレアル・マドリーへ加入して以降、どちらかというと成長速度は鈍化。度重なるローンでチームへの順応に苦労する場面ばかりが目立っていた。
そんな彼にとって、この夏のレアル・ソシエダへの完全移籍は一大転機になったといえる。
以前から久保を欲していたソシエダは、彼はFWの一角として起用。トップ下にダビド・シルバという世界的レフティが控える布陣で、久保は真価を発揮しつつある。
日本代表でも9月の親善試合、レギュラー組中心のアメリカ戦で左サイドとして先発出場。攻守に存在感を見せた。
堂安にもいえるが、プレースキックも得意なだけに、いまだ残る「中村俊輔の左足」の影を払拭するようなキッカーに成長していってほしい。
松木玖生
最後は松木玖生。堂安、久保に比べると国際舞台での経験も乏しいだが、高卒1年目での活躍ぶりは目を見張るものがある。
大きな魅力はそのメンタリティ。パリ五輪世代の監督である大岩剛監督もこの点を高く評価しており、19歳の彼をU-21日本代表にたびたび招集している。
所属するFC東京でも開幕からレギュラーとして試合に出続けており、リーグ戦の出場時間はヤクブ・スウォビィク、木本恭生、森重真人に次ぐ2,266分を記録している。
チームもここにきて5位に浮上。もちろん立ち位置や技術面など個人としての課題は多いが、アルベル・プッチ・オルトネダ監督のもとで着実な成長を遂げているのも事実だ。
過去に日本代表で重要な役割を担ってきた選手たちと同様、成長につながるメンタリティを持っている松木。その将来性に期待してみたい。