“自然と寄り添い信仰守る” 潜伏キリシタンの里、樫山地区

潜伏キリシタンの里として知られる樫山地区=長崎市樫山町(小型無人機ドローン「空彩4号」で撮影)

 長崎市中心部から車で外海方面へ。新長崎漁港を過ぎた頃、「樫山」と書かれた案内板が見えてくる。角力灘に突き出した半島で周辺は山に囲まれ、江戸時代には潜伏キリシタンの里だった。青い海と緑が美しい。自然と人間が寄り添いながら暮らした時代に思いをはせる。
 禁教時代に潜伏キリシタンを黙認して保護したとされる天福寺を訪ねた。「樫山は潜伏キリシタンにとっては聖地。生活を共にしながら長い間、信仰を守ってきた所です」という東堂(前住職)の塩屋秀見(しゅうけん)さん(69)。
 江戸時代は地域を南北に貫く1本の道を境に東側が佐賀藩深堀領の飛び地、西側は大村藩だった。塩屋さんによると、今でも東側と西側の人たちは言葉や気質が違うなどの名残があるという。


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