ウェルネス初陣飾る、佐賀北に快勝6―2 エースの上原、耐えて144球完投 秋季九州高校野球

 来春の選抜大会につながる高校野球の第151回秋季九州地区大会の第2日は23日、名護市のタピックスタジアム名護などで1回戦4試合を行った。沖縄大会2位で初出場のウェルネス沖縄は佐賀北(佐賀大会1位)に6―2で勝利した。ウェルネスは初回、大濱安綺の中越え適時打や敵失、暴投で3点を先制。四回は富村大夢(だいむ)の内野安打、七回は上原律己、八回は當銘愛渉(あいる)の犠飛でそれぞれ1点を加えた。沖縄大会1位の沖縄尚学は24日、名護の第1試合(午前10時開始予定)で鳥栖(佐賀大会2位)と1回戦を戦う。

 降雨でグラウンドコンディションが悪い中、ウェルネス沖縄のエース上原律己が被安打9も2失点完投で耐えた。チームは自前の練習施設がなく、雨を想定した実戦練習などが十分にできておらず、慣れない環境で手元が狂い球が抜けることもあったが、何とか144球で完投し九州大会初勝利をつかんだ。

 立ち上がりの2球目をいきなり右前に運ばれたが、次打者のときに中途半端な走塁を見せた走者を内野陣がタッチアウト。その後、次打者に安打を許したが、後続を遊ゴロに仕留め併殺で乗り切った。これでリズムに乗ったチームは直後の攻撃で3点を先制した。

 五回まで安打を許さなかった一方、雨脚が強くなってきた六回以降に制球が乱れた。七回に四球を与え犠打と安打で初失点。さらに九回は2死から2連打され2点目を失った。

 「(投球が)できた感じがしなかった。修正できなかった」。県大会の準々決勝、準決勝では四死球なしの制球力を見せていただけに、試合後は納得いかない表情だった。記念すべき初勝利だが、目標は優勝であり「通過点」と捉える。マウンドで感じた力不足の悔しさはマウンドで取り返す。

 (金良孝矢)

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