「地球から消えて」小学校で不適切指導 教育長が謝罪 児童は未だに登校できず

広島県福山市の小学校で担任の女性教諭から児童に対し、「地球から消えて」など不適切な発言があった問題で、福山市教育委員会会議が開かれ、教育長が謝罪し、経過の報告や対策が話し合われました。

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福山市教育委員会 三好雅章 教育長
「この場を借りて深くお詫び申し上げます。誠に申し訳ございませんでした」

福山市教育委員会会議で、ことし4月以降、市内の小学校で6年生の担任を務める女性教諭が、男子児童1人に対し、不適切な発言や指導をしていたことについて経過が報告され、教育長が謝罪しました。

委員からは、発覚まで長期間となったことや、ほかの教職員が気付くことができなかったのか、女性教諭の指導は常識を逸脱しているなど、質問や指摘が相次ぎました。

この問題は、男子児童が女性教諭から胸ぐらをつかまれ、ドアに押し付けられたことや、「地球から消えてほしい」などの発言があったとして保護者が8月に市教委に相談…。

先月、学校側が謝罪し、6年生へ実施した緊急アンケートでも同様の記述が半数ほど上がり、女性教諭は、市教委などの聞き取りに対して当初、一部に食い違いがあると説明していましたが、その後、認めました。

福山市教委は、女性教諭に対する指導が不十分だったとしています。

福山市教育委員会 三好雅章 教育長
「その学校の問題に留まるものではないとあらためて認識しております。全市で取り組むことと、各学校で取り組むこと、しっかり分けて取り組んでいこうと考えています」

このほか教育長は、各教諭の情報共有不足など組織の問題があったという認識を示しました。

学校は、前年度、別の保護者から女性教諭の指導についての相談を数件受けていましたが、根本的な改善ができていなかったということです。

対策としてこの学校では、保護者からの相談は全て記録して共有すること、教諭の指導について学期ごとのアンケートの実施や、児童の立場に立っているかを協議する研修の場を毎週設けるなどとしています。

福山市教委は、女性教諭が以前いた学校でも不適切な指導をしていたかどうかの確認も進めています。

男子児童の保護者は、教育委員会会議を傍聴した後、初めて面会した教育長から謝罪されたということです。

保護者によりますと、男子児童は今後予定されている学校行事にも参加したい気持ちはあるが、未だ登校できる状態になく、今月から市のフリースクールに通っているということです。

保護者は、「不信感をぬぐえない点はまだある。信頼関係を築きながら再発防止に努めてほしい」などと話していました。

この問題は、きょう(24日)臨時で開かれた文教経済委員会でも報告されました。

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