大阪土産「岩おこし」「粟おこし」の老舗(株)戎大黒本舗[大阪]が破産開始決定

戎大黒本舗の「粟おこし」と「岩おこし」

 (株)戎大黒本舗(TSR企業コード:570673984、法人番号:3120001061786、守口市大枝東町2−19、登記上:同市西郷通2-18-15、設立1950(昭和25)年12月、資本金1000万円、植村甚氏社長)と関連の(株)京都ぽてとの塔(TSR企業コード:642393346、法人番号:9130001052647、京都市伏見区深草稲荷中之町32、設立2014(平成26)年2月、資本金100万円、同社長)は9月29日、大阪地裁へ破産を申請し10月13日、破産開始決定を受けた。破産管財人には山形康郎弁護士(弁護士法人関西法律特許事務所、大阪市中央区北浜2-5-23、電話06-6231-3210)が選任された。
 負債は、戎大黒本舗が債権者57名に対して約3億1800万円、京都ぽてとの塔が債権者28名に対して約6800万円で、2社合計約3億8600万円。

 戎大黒本舗は、1927年に創業した老舗企業。岩おこしや粟おこしなどの菓子をはじめとする各種大阪みやげのほか、阪神タイガース承認商品等の企画製造および販売を手掛けていた。1998年5月期には売上高約4億円を計上していたが、その後は菓子業界の多様化や同業者の増加などにより、2017年5月期の売上高は約2億3000万円にまで落ち込んだ。
 2020年以降は「新型コロナウイルス」感染拡大の影響による外出制限などから手土産の需要が低下し、売上がさらに減少。営業を縮小しつつ、金融機関へリスケジュールを要請するほか、コロナ関連のゼロ・ゼロ融資や給付金などを活用して資金繰りを維持してきたが、業況は改善せず、今回の措置となった。

 京都ぽてとの塔は、国産のさつまいもを使った菓子の販売を手掛けていた。しかし、厳しい事業環境が続いていたなか、コロナ禍による販売低迷を受け、2022年6月27日にはブランド事業を廃止し、オンラインストアや直営店も閉鎖していた。

© 株式会社東京商工リサーチ