日本電産、損害賠償と記事削除求め東洋経済提訴 自社株買い不正疑惑報道を否定

日本電産のロゴ

 日本電産の自己株取得を巡る不適切な処理の疑いについて指摘した「東洋経済オンライン」の報道に対し、同社は24日、記事配信元の東洋経済新報社(東京)や記者、執筆者を相手取り、損害賠償や記事削除、謝罪広告の掲載を求める訴訟を東京地裁に起こしたと発表した。

 日本電産は「当社の名誉や信用を毀損(きそん)しているのみならず、虚偽の情報により株式市場を混乱させており、到底容認することはできない」としている。名誉毀損などでの告訴状も警察署に提出したという。

 東洋経済オンラインは7日、日本電産の自社株買いの条件変更に同社創業者で大株主の永守重信会長兼最高経営責任者(CEO)が関与した疑いがあると報じた。24日にも信託銀行に対する自社株買いの買い付け条件変更に永守氏の意向が反映された疑いがあるとする記事を配信した。

 日本電産は一連の報道に対し、「信託設定前にインサイダー情報がないことを確認し、設定後にも取得に関する指示を行わない契約となっていて、金融庁のルールを完全に順守している」と説明している。

 東洋経済新報社の広報室は「現時点で申し上げられるのは事実を書いた記事だということだけです」とコメントした。

© 株式会社京都新聞社