山際氏、予算委では「大臣の仕事に集中」 わずか2時間後に辞表提出 

代表質問にうつむいたまま、表情を変えずに耳を傾けていた山際経済再生担当相。旧統一教会との接点を追及した質問の際、議場からヤジや拍手を送った議員をにらみつけた=5日午後、衆院本会議場(三木 崇写す)

 24日に辞任した山際大志郎経済再生担当相(衆院神奈川18区)は、同日の衆参両院の予算委員会で野党から激しい追及を受けていた。審議中に「総理が山際大臣の交代を検討」との情報が流れ、岸田文雄首相が全面否定する一幕もあった。山際氏は最終質問者に「大臣の仕事に集中」と答弁したが、辞表提出はそのわずか2時間後。永田町には「その間に何があったのか?」と驚きが広がった。

 「ご自身で予言を的中させましたね」。午前の衆院での審議で立憲民主党の後藤祐一氏(16区)が山際氏に問い掛けた。18日の予算委で「これから新しい事実が出てくる可能性がある」と答弁し、その後に旧統一教会幹部との集合写真などが明らかになった山際氏を皮肉ったのだ。

 山際氏は「議員が記念写真を撮ることは普通に行われている。後藤議員だって毎日あるでしょ?」と反論。後藤氏は一切くみせず首相に矛先を向けて「大臣を辞めさせるべきだ」と迫ったが、首相は「さらなる質問に丁寧に説明していくことが大事」と従来の答弁を繰り返してかばった。

 先週からの予算委では山際担当相、事務所費賃料を巡る“脱税疑惑”が指摘された秋葉賢也復興相、寺田稔総務相が野党から追及を受け続けた。24日も3閣僚の頭文字をなぞる「秋の山寺」(野党議員)が「先週の予算委に続き再炎上」(同)の様相だった。

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