マセラティ、史上初の女性F1ドライバーを称える『ギブリ』『レヴァンテ』の限定車を導入

 ブランド創設の精神として、長きにわたるモータースポーツ活動の歴史と伝統を誇るマセラティが、現行の『ギブリ』と『レヴァンテ』をベースとした限定車“Fトリブート・スペシャル・エディション”を設定。かつて1958年に『マセラティ250F』をドライブしてグランプリに参戦し、史上初の女性F1ドライバーとなったマリア・テレーザ・デ・フィリッピスにオマージュを捧げる同モデルは、台数限定ながら日本市場への導入も予定されている。

 1955年10月、デ・フィリッピスはマセラティA6GCSのステアリングを握って、大陸を代表するイベントだった第39回タルガ・フローリオに出場し、総合9位(2リッタークラスでは4位)の成績を残した。

 そんな好成績を収めたこのレースは彼女のレース人生のターニングポイントとなり、次々と挑戦を重ねて慣例を打ち壊していったデ・フィリッピスは、1958年にふたたびマセラティのシートに座り、史上初の女性F1ドライバーとしてモナコや地元モンツァを含む4戦への出場を果たした。

 そんな彼女の勇猛果敢なストーリーにオマージュを捧げ、その功績を称えるこの限定モデルは、アランチョ・デビル(Arancio Devil)とグリージョ・ラミエーラ(Grigio Lamiera)からなる2種類の特別色が用意され、とくにアランチョ・デビルは彼女のニックネーム「the she-devil (ザ・シー・デビル)」を想起させる力強いエネルギーと大胆さを併せ持つ特別なオレンジとなっている。

 その鮮烈なエクステリアに合わせ、脚元にも新カラーのグリージョ・オパコ(Grigio Opaco)に彩られたホイールが装着され、SUVの『レヴァンテFトリブート』には21インチのアンテオホイールを、サルーンの『ギブリFトリブート』にも21インチのティターノホイールが採用される。

 このホイールリムのディテールにはコバルトブルーが使用されているほか、フェンダーには特別なバッジが、Cピラーにはトライデントロゴが配される。

 一方、マセラティが勝利を収め、最高のパフォーマンスを発揮してきた真の「ホーム」と言えるサーキットから着想を得たグリージョ・ラミエーラのグレーには、ホイールカラーにグロスブラックを採用。これとコントラストをなすように、特別なバッジやトライデントロゴといったディテールにオレンジ色がアクセントとして使用されている。

 さらにインテリアでもカラフルな色彩の世界が広がり、ブラック、またはオレンジとナチュラルなピエーノ・フィオーレ(PienoFiore/フルグレイン)のレザーが張られたシートには、コバルトブルーとオレンジのステッチが施される。

 両モデルともに最高出力350PSのV6エンジンを搭載したモデナをベースとし、日本導入は2023年の第一四半期頃を予定。アランチョ・デビルはギブリ、レヴァンテともに各限定1台、グリージョ・ラミエーラは限定各5台の上陸となり、予価は『ギブリFトリブート』が1788万円、『レヴァンテFトリブート』が1958万円(ともに税込)となっている。

アランチョ・デビル(Arancio Devil/写真)とグリージョ・ラミエーラ(Grigio Lamiera)からなる2種類の特別色が用意される
ブラックのレザーが張られたシートには、コバルトブルーとオレンジのステッチが施される
グリージョ・ラミエーラ(Grigio Lamiera)のボディカラーは、限定各5台の上陸となる
こちらはオレンジと、ナチュラルなピエーノ・フィオーレ(PienoFiore/フルグレイン)のインテリア

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