ウクライナ東部を描いた「ドンバス」など3作品 西京シネクラブが10月29・30日に山口市で上映会

 西京シネクラブ10月度例会が、10月29日(土)と30日(日)に山口県教育会館(山口市大手町2)で開かれる。9月度例会が上映機器故障のため急きょ開催できなかったこともあり、お詫びの意味も込めて3作品が上映される。

 一つ目の作品は、9月に上映予定だった「彼女たちの革命前夜」(2019年イギリス)。「ミス・ワールド」の1970年ロンドン大会での前代未聞の騒動を描いた人間ドラマだ。上映日時は、29日午前10時半、同午後4時半、30日午後1時から。

 2本目は、「モガディシュ 脱出までの14日間」(2021年韓国)。ソマリア内戦に巻き込まれた韓国および北朝鮮大使館員たちの生死をかけた1991年の脱出劇を映画化。2021年7月に韓国で公開されると、コロナ禍にもかかわらず観客が押し寄せ、同年度の韓国映画No.1ヒットとなった。さらに、メディアや評論家からも高く評価され、第42回青龍映画賞では最優秀作品賞、監督賞など主要部門を総なめ。第94回アカデミー賞国際長編映画賞部門の韓国代表作品にも選ばれた。監督は、「ベルリンファイル」「生き残るための3つの取引」のリュ・スンワン。制作に当たっては徹底的な事前調査も実施され、モロッコでのオールロケが行われたという。上映日時は、29日午後1時半、同7時、30日午前10時から。

 3本目は、2014年から15年のウクライナ東部・ドンバス地方を描いた映画「ドンバス」(2018年ウクライナ、オランダ、ドイツ、フランス、ルーマニア)だ。ロシアによる侵攻で激しい攻防が続き、9月30日にはロシアが一方的な併合を宣言したドンバス地方(ドネツク州、ルハンシク州)だが、親ロシア派勢力とウクライナ軍との衝突は、このころには始まっていた。13のエピソードで構成されるこの映画では、ロシアとウクライナを巡る歴史的なしがらみや、紛争の無法地帯で流されるフェイクニュースの制作現場、暴力や汚職の様子などを、ドキュメンタリーのように映し出す。監督は、ウクライナ人のセルゲイ・ロズニツァで、2018年の第71回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門で監督賞を受賞し、第91回アカデミー賞外国語映画賞ウクライナ代表にも選ばれた。上映日時は、30日午後4時と同7時から。

▲「ドンバス」の一場面 ©MA.JA.DE FICTION / ARTHOUSE TRAFFIC / JBA PRODUCTION / GRANIET FILM / DIGITAL CUBE

 前売り券は1作品につき一般1500円で、同館、YCAM、山口市民会館、C.S赤れんが、三好屋レコード店で購入でき、電話予約・当日受け取りでも適用される。当日券は同じく、一般1800円、19歳から25歳まで1000円、18歳以下800円。予約・問い合わせは西京シネクラブ(TEL083-928-2688)へ。

© 株式会社サンデー山口