コロナ禍前の水準に回復 今夏、和歌山県内観光地の人出

前年夏季に比べて客数が5割増えた白良浜海水浴場(今年7月、和歌山県白浜町で)

 今夏(7月1日~8月末)、和歌山県内主要観光地7カ所の観光客数は計295万9600人だった。県がまとめ、発表した。コロナ禍前の2019年と比べ94.7%に回復した。7カ所全てで日帰り客数、宿泊客数とも前年同期を上回った。

 主要観光地である田辺市龍神村、同市本宮町、旧白浜町、旧串本町、那智勝浦町、和歌山市、高野町の宿泊客数は71万6300人、日帰り客数は224万3300人。いずれもコロナ禍で落ち込んだ20年同期から2年連続で増加。コロナ禍前の19年との比較では宿泊客数が87.1%、日帰り客数が97.4%まで戻った。

 県によると、3年ぶりに新型コロナ対策の行動制限がない夏で、京阪神など県外からの観光客が増えた。

 観光地別では、特に那智勝浦町で宿泊客数が19年より1割多かった。県は那智の扇祭りが3年ぶりに本格的に営まれたことなどが影響したとみている。県の旅行費用補助事業「わかやまリフレッシュプランS」の利用も多かったという。

 旧白浜町は19年と比べ、宿泊客数が9割まで戻り、日帰り客数はほぼ同水準だった。天候が良く、白良浜海水浴場は前年より5割増えたほか、毎週末に花火イベントが開催されたことが影響したという。

 この他の観光地の総数を19年と比較したところ、和歌山市は同水準となったほか、旧串本町、田辺市龍神村でも9割以上、高野町で9割近くまで回復。一方、田辺市本宮町は川湯温泉での川遊びや熊野本宮大社の参拝者が増えたが、海外からの観光客が少なかったため、7割近くにとどまった。

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