ひきこもり支援 長い目で 宮崎市で講演、研修会

長い目で引きこもり支援を続ける重要性などを訴える宮崎大の境泉洋教授

 ひきこもりへの理解を深める研修会は21日、宮崎市清武文化会館であった。ひきこもり当事者の高齢化が進む中、連携を深めようと、相談支援専門員と介護支援専門員ら約240人が参加。専門家による講演や事例検討などを通じて、支援の在り方を探った。
 市介護支援専門員連絡協議会と県障がい者相談支援事業連絡協議会が、会場とオンライン配信を併用して合同で開催した。
 宮崎大教育学部の境泉洋教授は、親が80代、ひきこもりの子どもが50代となり親子で生活に困窮する「8050」問題、さらに高齢化した「9060」問題のリスクや支援方法などを紹介。境教授は「ひきこもり当事者を元の生活に戻そうとするのは間違い。新しい人生に進むため、長い目での応援が必要」と訴えた。
 また、「県ひきこもり地域支援センター」の担当者からの事例報告を基に支援方法を検討するグループワークもあった。参加者からは「成功体験の積み重ねが自信につながる」「お金の管理は親亡き後を考えると重要」などの意見が上がった。

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