研究・開発拠点センター建設へ 2024年8月完成予定 排熱活用し省エネ 有沢製作所

 有沢製作所(本社・上越市南本町1)は、中田原工場(同市中田原)内に技術開発、オープンイノベーションの拠点となる「イノベーションセンター(仮称)」を建設する。来年から建設に着手し、2024年8月の完成を目指す。建築面積、総工費は現時点で非公表。設計は小堀哲夫建築設計事務所(東京都)。

イノベーションセンター(仮称)の外観イメージ(有沢製作所提供)

 同工場内にある技術開発センター、食堂棟を建て替える。1909年の創業から110年以上が過ぎ、「次の100年」を見据えたセンターにしようと、若手からベテランまで延べ381人がワークショップに参加し、意見を出した。
 部門間連携を促進するため、実験室と事務所を連携させるワークショップエリアを設計に取り入れた他、他社や研究機関とのオープンイノベーションを推進するためのスペースづくりを行う。
 建物の省エネルギー性は、従来の建物で必要なエネルギーを50%以上削減した「ZEB Ready」を目標にする。工場の稼働で得られる排熱を暖房に利用する他、コンクリート壁内に冷温水配管を敷設し、建物の躯(く)体に蓄熱させることで、冬場の空調起動時に生じる負荷を低減する。
 上越市の特徴である雪も活用。屋根雪の冷熱を蓄熱槽に蓄えて夏場の冷房に充てる。大規模なオフィスで雪冷熱を冷房に利用するのは、全国的にも珍しいという。
 同社は「今後、さらに詳細を詰めていく」としている。

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