SNSで殺人依頼を共謀と認定 被告の男に懲役19年の実刑判決 仙台地裁

SNSを通じて殺人を依頼し、宮城県柴田町の男性を殺害した罪に問われている男の裁判員裁判で、仙台地裁は懲役19年の実刑判決を言い渡しました。

宮城県山元町の元建設作業員、岩見尭明被告(29)は2020年9月、SNSを通じて既に懲役19年の刑が確定している森満受刑者(46)と共謀し、柴田町の住宅で毛利哲雄さん(当時74歳)を包丁で突き刺すなどして殺害した罪に問われています。

検察側の論告によりますと、岩見被告と毛利さんの長男との間には金銭トラブルがあり、長男に恨みを持った岩見被告はSNSを通じて闇サイトのリーダーと名乗る氏名不詳の人物に長男の殺害を依頼します。

氏名不詳の人物は自分で実行せず、報酬を条件に森受刑者に殺害を指示し、犯行を引き受けた森被告が玄関先に出てきた毛利さんを長男と間違えて包丁で突き刺し殺害しました。

裁判では、SNSを介して間接的に犯行を依頼した岩見被告と実行犯の森受刑者との共謀が成立するかが争点となりました。

25日の判決で、中村光一裁判長は「岩見被告の殺害依頼が事件の発端である。岩見被告が自ら送信した1000万円以上の残高のある通帳の写真を見て、500万円という高額の報酬が確実に支払われることを信じて、森受刑者は犯行を完遂することを決意したと認められる。見ず知らずのターゲットを殺害しようとする原動力となっていた」として共謀があったと認定しました。

また「毛利さんの長男から金をだまし取られたという事情を考慮しても、相手を殺して良いという理由にはならない」として懲役20年の求刑に対して懲役19年の実刑判決を言い渡しました。

弁護側は「控訴の意向は被告人と相談する」とコメントしています。

© 株式会社東日本放送