豚熱の発生想定 岡山県が防疫演習 殺処分手順や初動対応を確認

通電させた鉗子を使う豚の殺処分を再現する県の家畜防疫員ら

 岡山県は25日、県内での豚熱の発生を想定した防疫演習を県畜産研究所(美咲町北)で行い、県職員や県内の運輸、畜産関係者ら約100人が農場での殺処分の手順や発生時の初動対応を確認した。

 殺処分は獣医師資格を持つ県の家畜防疫員らが豚の縫いぐるみを使ってデモンストレーションし、豚を入れたバケツにガスを注入したり、鉗子(かんし)で豚を挟んで通電させたりして処分する一連の流れを披露。参加者が真剣な表情で作業を見守った。

 国内での発生状況などに関する説明もあり、2018年に岐阜で26年ぶりに確認されて以降、隣県の広島を含めて各地で発生していることを踏まえ、岡山県の担当者は「いつ県内で見つかってもおかしくない」と述べた。発生時は県対策本部から各関係機関に動員や作業委託の協力要請を行うことも確認した。

 県畜産課の岡田ひろみ総括参事は演習後「予防が第一だが、万が一発生した場合には関係機関と連携し、迅速に対処できる体制を整えたい」と話した。

 豚熱はウイルスの感染による豚とイノシシの家畜伝染病。発熱、下痢などの症状が現れるが、人には感染しない。

© 株式会社山陽新聞社