アロンソがペナルティを批判「F1が正しい方向に向かうかどうかの正念場」アルピーヌの抗議に関する聴聞会は木曜に実施

 F1アメリカGPでフェルナンド・アロンソにレース後、ペナルティが科され、ポイント圏外へと降格されたことについて、アルピーヌが不服申し立てを行ったため、この件についての聴聞会が、メキシコGPを前にした今週木曜に実施されることが決まった。この聴聞会にはアルピーヌと、アロンソのマシンは規則違反であると申し立てたハースが出席する。

 ハースはアメリカGP決勝後、7位でフィニッシュしたアロンソのマシンは、レース中、右のミラーが一時ぐらついている状態で、最終的に脱落したことにより、安全ではない状態で走行していたと主張、これはレギュレーション違反であるとして抗議を提出した。アロンソはランス・ストロール(アストンマーティン)との接触でマシンにダメージを負ったが、ノーズ交換を行ってコースに復帰、その後、右のミラーがぐらつき、脱落した。

2022年F1第19戦アメリカGP ランス・ストロール(アストンマーティン)とのクラッシュで舞い上がるフェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)のマシン
2022年F1第19戦アメリカGP フェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)とランス・ストロール(アストンマーティン)がクラッシュ

 これについて決勝中にハースがレースコントロールに対して二度にわたり指摘したものの、何の措置も取られなかった。しかしレース後のスチュワードの調査において、FIAは、ミラーがぐらついている状態、あるいはひとつが失われた状態での走行は安全ではないと主張。スチュワードは、指摘を受けたレースコントロールがブラック&オレンジフラッグを示すかチームに警告を与えるべきだったと示唆する一方で、アロンソのマシンは安全ではなかったと結論付け、10秒のストップ&ゴーペナルティ(決勝タイムに30秒加算のペナルティ)を科した。アロンソは7位から15位に降格され、貴重なポイントを失う結果となった。

 この裁定を受け、アルピーヌは、安全性に留意して適切に行動していたこと、FIAはレース中に警告を出しておらず、レース後のマシンをチェックして合法と認めていることを強く訴えた。また、ハースの抗議が期限を過ぎて提出されたことから、この抗議は受理される資格を持たず、ペナルティは無効であるとの主張に基づき、不服申し立てを起こす意向を表明した。

 FIAはこれについて、ハースとアルピーヌの代表者が出席する聴聞会を10月27日に行うことを決めた。ここではまず、アルピーヌの抗議に受理される資格があるかどうかについて判断され、適格と判断された場合にはさらなる聴聞会が開かれるものと考えられている。

 アロンソは、アルピーヌが不服申し立ての意向を示した後、Instagramのストーリーズを通してコメントを発表した。アロンソは、ファンからの応援のメッセージに感謝するとともに、FIAの裁定を暗に非難した。

「昨日、今日とたくさんのメッセージを送ってくれてありがとう。スポーツにおいて、ルールやレギュレーションに対して全員が共通の認識を持ち、同じ意見を共有していると感じるのはまれなことだが、今回はそのまれなケースだ」

「従って、木曜日は、僕たちが愛してやまないこのスポーツにとって重要な日になる。この決定が、僕たちが将来に向けて正しい方向に進むかどうかを決定づけることになるだろう」

「皆さんのサポートに改めて感謝する」

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