トゲのほぼない「は~とふるローズ」 秋バラ咲く与野公園で植栽 新種の黄色いバラ、花言葉は「友情」

「は~とふるローズ」の苗木を植える埼玉中央青年会議所の会員ら=23日午後、さいたま市中央区本町西1丁目の与野公園のバラ園

 埼玉中央青年会議所は23日、与野公園(さいたま市中央区)のバラ園に、命名権を得た新種の黄色いバラ「は~とふるローズ」の苗木15株を植栽した。「友情」などの花言葉を持つ黄色のバラ。同会議所の担当者は、仲間と共に植えたバラが根付き、地域のシンボルとして、きれいな花を咲かせ続けることを願っている。

 与野公園のバラ園は、約5500平方メートルの敷地に180種以上、約3千株のバラが栽培されている。ボランティア団体の中央区バラサポーターが、苗の手入れや草取りをして大切に育て、赤や白、ピンクなどの花を咲かせ、かぐわしい香りが園内に漂う。

 さいたま市、上尾市、伊奈町を活動地域としている同会議所は毎年5月、与野公園で開催される「ばらまつり」に、ブースを展示していた。新型コロナウイルスの影響を受け、まつりが中止される中、担当理事の関根大介さん(40)は、地域貢献やバラサポーターへの支援、会員の絆を強める取り組みを模索していた。

 国産バラの普及に取り組むフラワーディレクターMiwakoさんと知り合い、広島県呉市のバラの育種家今井清さんが作った新種のバラの命名権を得た。関根さんとMiwakoさんらが話し合い、仲間や絆のイメージから黄色のバラに決まり、ブース展示の名称「は~とふるローズ」をそのまま命名。花の色はレモンイエローで、育つと中心の黄色が濃くなる。スプレーバラといわれるタイプで、小ぶりの花が5、6個咲き、とげはほとんどないという。

 同会議所は23日、新規会員のオリエンテーションを兼ねて、約40人が与野公園内の清掃活動を終えてから、苗木の植栽を行った。バラサポーターの井原正会長(67)らの指導を受けながら、深さ約50センチまで掘って肥料を加え、苗木を1本ずつ大切に植えた。

 井原さんは「バラを植える、見る。楽しむのが一番。若い人たちが地域の資源であるバラに対して興味を持ち、協力を頂けるのは非常にありがたい。今回の活動はとても有意義だった」と語った。

 中央区出身の関根さんは、与野公園のバラには思い入れが強いという。「複数の花が咲くので、花言葉の意味に加えて、チームという思いがある。みんなで植えたので、来年5月のばらまつりの時に、どの苗も枯れることなく、きれいに咲くことを願っている」と話していた。

レモンイエロー色の「は~とふるローズ」。直径約5~6センチの花を複数咲かせるという

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