劇団スーパー・エキセントリック・シアター第60回記念本公演「堕天使たちの鎮魂歌〜夢色ハーモニーは永遠に〜」歌うことこそ使命、いつか、きっと夢は叶う。

ミュージカル・アクション・コメディーを掲げる劇団スーパー・エキセントリック・シアター第60回記念本公演、「堕天使たちの鎮魂歌〜夢色ハーモニーは永遠に〜」が好評上演中だ。

物語の出だしは女性ボーカルグループ「ディーバ」がどこかの街で歌ってる。そして途中で中断させられる。歌は抜群に上手いが、鳴かず飛ばず、マネージャーは一生懸命だが、どうにもこうにも売れない、年月だけが過ぎていく状況。そんな時に事務所の社長(三宅裕司)が大きな仕事を持ってきた。それは「ショッキングピンク」の替え玉として歌うことだった。仕方なく引き受ける彼女達。果たして…「ショッキングピンク」は一躍、人気アイドルに。だが、ビジュアル担当の3人、キラリ(山城屋理沙)、モエ(古家由依)、エミ(岡山玲奈)は替え玉がおばさんというのが納得いかず、一方の「ディーバ」の3人、マイ(丸山優子)、ヨシノ(白土直子)、サイコ(良田麻美)は顔が出せないのが不満、何かと衝突する。無理もない。そんな彼女達に色々と降りかかる出来事が、さあ、どうなる?!というのが大体の流れ。

SETらしい細かい笑いやギャグを随所に挟み込んでいくので客席からは頻繁に笑いが起こる。音楽プロデューサー・鬼塚演じるのは小倉久寛、スマホを複数持ち、それが次々と鳴る下り、その仕草がいちいち可笑しい。「ディーバ」のマネージャー・瀬和は野添義弘、「ショッキングピンク」のマネージャー・椀田演じるのが、西海健二郎、振付師を演じるのが、おおたけこういちなのだが、3人揃うと頭部が眩しい(笑)、これをギャグに3人でわちゃわちゃとやるシーンは客席大笑い。もちろん、三宅&小倉のやり取りもあるので!細かいサイドストーリーも見逃せず(ヒント:恋愛)、また、全員に見せ場があるのがSET。なんだか、もう、な状況からの一発逆転な展開、もちろんバッドエンドではないので、そこはご安心を。
「ディーバ」の3人の歌は実力たっぷり、もっと歌唱して欲しいくらい、また「ショッキングピンク」のビジュアル担当の3人もスピード感のある、ちょっとセクシーなダンスを披露。

売れない悲哀の切なさ、だが、それでも少しの光を頼りに頑張る姿、そんな彼女達に触発される周囲の人たち、人情溢れ、それでいてクスリと笑えるやり取りに客席の雰囲気は温かい。ラストは華やかな歌唱シーン、ここは客席も一体化して拍手、物語とリアルが融合、歌だけでなく、身体能力の高いメンバーのダンスも楽しい。
SET公演、これで、なんと60回。旗揚げは1979年、そこからブレることなくミュージカル・アクション・コメディーを上演し続けているので、劇団員の年齢層が幅広いのが強み。また、今回は現代が物語の舞台なので「バズる」などの言葉も飛び出す。普遍的な笑いに今だから笑えるギャグも交えて、の喜劇。気が早いが来年はどんな手段で笑わせようとしてくるのか、気になる。

物語
女性3人組ソウルシンガー「ディーバ」は、実力はあるものの長年鳴かず飛ばず。
そんなどん底の彼女たちにある日、ビジュアルとダンスセンスは良いが歌は最悪というアイドルグループの替え玉の依頼が舞い込む。
仕掛け人の大物プロデューサー、事務所社長、足を引っ張るライバルたち…
それぞれの思惑が絡む中、極秘プランが始動!
「大きなステージで自分たちの歌を届けたい!」という夢だけを支えに
生きてきたディーバを襲う様々な試練…。
彼女たちの歌声が奏でるその先に待っているのは、厳しい現実か、輝く夢か?!

概要
劇団スーパー・エキセントリック・シアター第60回記念本公演
ミュージカル・アクション・コメディー「堕天使たちの鎮魂歌〜夢色ハーモニーは永遠に〜」
日程会場:
2022年10月21日(金)〜11月6日(日) サンシャイン劇場
2022年11月9日(水) 秋田県鹿角市
劇団SETホームページ:https://www.set1979.com/stage/

The post 劇団スーパー・エキセントリック・シアター第60回記念本公演「堕天使たちの鎮魂歌〜夢色ハーモニーは永遠に〜」歌うことこそ使命、いつか、きっと夢は叶う。 first appeared on シアターテイメントNEWS.

© 株式会社テイメント