紅葉見頃の雲仙・仁田峠 渋滞緩和へ実証実験 登山客シャトルバス、見物客は通行予約制

登山客向けパーク&ライド

 紅葉が見頃を迎えた長崎県雲仙市の仁田峠。毎年の懸案になっている峠の循環道路の渋滞解消を目指し、市などが29日から11月6日までの土日曜、祝日の計5日限定で、通行予約制(有料)の実証実験を行う。雲仙岳登山客はシャトルバスで往復する「パーク&ライド」利用を、紅葉見物客は車での通行を、それぞれ事前に予約する仕組み。
 実施主体は市と国県、警察、観光団体などでつくる市道仁田峠循環線利用適正化協議会。2020年秋に実証実験を計画していたが、新型コロナ禍で実施を見送っていた。
 国道57号と仁田峠を結ぶ市道仁田峠循環道路は延長約8.2キロの一方通行。仁田峠第1展望所の駐車場は普通車200台分、大型車20台分のスペースがある。通常時は同循環道路の入場ゲートから同展望所まで車で約10分で到着するが、紅葉シーズンは渋滞が発生し、最長約2時間を要する上、ゲート手前にも長い車列ができることもある。
 同協議会の調査によると、紅葉シーズンの午前中、登山客の車が同駐車場に長時間止まっているため、車の出入りが悪くなり渋滞が発生していると分析。登山客向けのパーク&ライドの試行を決め、さらに車の流れを改善するために見物客の車も事前予約制にした。
 パーク&ライドの利用客は、雲仙温泉街近くの雲仙BASE(旧市立雲仙小)に駐車し、シャトルバスで同展望所へ上り、登山を楽しんだ後、同バスで下る。同バスの片道所要時間は約20分。
 渋滞対策や環境保全の協力金として、パーク&ライドは車1台300円、循環道通行は車1台500円が必要。雲仙観光局ホームページからインターネット予約できる。


© 株式会社長崎新聞社