F1由来の電動ターボ搭載、新型『メルセデスAMG C43 4MATIC』セダン/ステーションワゴンが登場

 1982年誕生の始祖『190E』の系譜を汲み、この2021年に5代目へと進化を遂げたメルセデス・ベンツの基軸車種『Cクラス』のセダンとステーションワゴン両バリエーションに、同世代待望のAMG謹製モデル『メルセデスAMG C43 4MATIC』が登場した。メルセデスAMG社のマイスターにより手組みされた、直列4気筒エンジンに電動モーターと48Vの電動システムをドッキング。さらにF1由来の“エレクトリック・エグゾーストガス・ターボチャージャー”も初採用し、10月20日より販売が開始されている。

 最新モデルとして上陸した現行世代にも、マイルドハイブリッド機構となるISGを組み合わせた最新のガソリンエンジンやクリーンディーゼル、そしてプラグインなど多彩なラインアップを揃える『Cクラス』だが、その頂点に君臨するAMGモデルとして追加された今回の『C43』には、直列4気筒エンジンとして初めて「One man, One engine」の主義に従い、熟練のマイスターが手作業で丹念に組み上げたM139型ユニットが搭載された。

 最高出力408PS、最大トルク500Nmを発生するこのエンジンには、厚さ約4cmで排気側のタービンホイールと吸気側のコンプレッサーホイールの軸に直接一体化された、量産車としては世界初となるエレクトリック・エグゾーストガス・ターボチャージャーを採用。このターボはF1由来の技術となり、現在のメルセデスAMG・ペトロナスF1チームが長年採用して実績を重ねてきたシステムを直接のベースとしている。

 この軸間モーターが電子制御でターボチャージャーの回転軸を直接駆動し、コンプレッサーホイールの回転数を制御。排気圧が上がらない領域でのサポートを担い、アイドリングスピードから全エンジン回転域にわたってレスポンスが大きく改善されると同時に、低回転域のトルクを高める効果をもたらされ、アジリティや発進加速性能の向上に繋がっている。

 また、アクセルから足を離したりブレーキを踏んだりした場合でもブースト圧を維持することができるため、速やかなレスポンスが途切れることなく得られるという。

 このターボチャージャーは車載の48V電気システムを電源とし、最大17万5000rpmまで動作することで極めて高い空気流量を供給。ターボチャージャーと電気モーター、それに電子制御ユニットはエンジンの冷却システムに接続されており、つねに最適な温度管理が行われる。

セダンには、ハイグロスブラック仕上げのAMGトランクリッドスポイラーリップを装着する
縦ルーバーを備えたAMG専用グリルを『Cクラス』で初採用。ボンネットにはパワードームを備える

■現行『Cクラス』で唯一のBurmester 3Dサラウンドサウンドシステムを搭載

 同時に、この『C43』に採用されるBSG(ベルトドリブン・スターター・ジェネレーター)は第2世代となり、48V電気システムの中ではマイルドハイブリッドとしても機能。短時間ながら出力を10kW(16PS)高めるブースト機能のほか、セーリングモードや回生ブレーキにより効率を最大限に高める。セーリングモードの切り替えやECOスタートストップ機能も48V電源が担い、その移行や切り替えはほぼ体感できないほどのシームレスさで行われる。

 そのアウトプットを担うトランスミッションには、従来まで『63シリーズ』のみに搭載されてきた9速のAMGスピードシフトMCTを採用。トルクコンバーターの代わりに湿式多板クラッチを搭載し、ダイレクト感ある素早いシフトチェンジと高い伝達効率を実現している。

 そのほか前後トルク配分31:69と、AMG独自の後輪重視型となるパフォーマンス志向フルタイム4輪駆動システム“AMG 4MATIC”や、約100km/h以下で最大2.5度の逆位相を可能とするリヤ・アクスルステアリング、そしてフロントに専用開発のステアリングナックルとジョイントを採用した“AMG RIDE CONTROLサスペンション”なども標準装備に。

 サウンド面では、排気管内に可変エグゾーストフラップを備えたAMGエグゾーストシステムに加え、システムに備わるセンサーによって実際の排気音を拾い、それに応じたサウンドを車内のスピーカーから再生するAMGリアルパフォーマンスサウンドも標準装備。さらにこの現行『Cクラス』で唯一のBurmester(ブルメスター)3Dサラウンドサウンドシステムも搭載するなど、全方位の高性能を実現している。

 セダン、ステーションワゴンともに左右の両ハンドル仕様が用意され、価格は前者が1116万円、後者が1146万円(ともに税込)となっている。

走行中に手を放すことなく各種メニュー操作が可能なAMGドライブコントロールスイッチを備えた”AMGパフォーマンスステアリング”を標準装備
ダッシュボードと縦型の11.9インチ・メディアディスプレイを6度ドライバー側に傾けた、新デザインが採用されている

メルセデスコール:0120-190-610
メルセデス・ベンツ日本ウェブサイト:http://www.mercedes-benz.co.jp

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