【中医協調査実施小委員会】日医、実調での認定薬局の経営状況把握に懸念表明/「現時点で制度運用が不十分」

【2022.10.26配信】厚生労働省は10月26日、中央社会保険医療協議会 調査実施小委員会を開催し、地域連携薬局や専門医療機関連携薬局といった認定薬局に加え、健康サポート薬局の経営状況を把握することが提案された。https://www.dgs-on-line.com/articles/1809 これに対し、日本医師会の委員は「現時点で制度運用が不十分」として懸念を示した。

日医・長島氏「コロナ禍においても、抗原検査キットの供給や治療剤の供給を担当しなかった薬局もあったという話を聞くことある」

事務局は医療経済実態調査に関して、地域連携薬局や専門医療機関連携薬局といった認定薬局に加え、健康サポート薬局の経営状況を把握することをどう考えるか、という論点を提示していた。加えて、OTC医薬品の備蓄状況の把握の論点に挙げていた。
https://www.dgs-on-line.com/articles/1809

これらの論点に対して、日本医師会常任理事の長島公之氏は、「現時点で制度運用が不十分」として懸念を示した。
地域連携薬局については次のように述べた。
「地域連携薬局は自治体や関係団体と共に機能を発揮することが期待されていたはずですが、コロナ禍においても、抗原検査キットの供給や治療剤の供給を担当しなかった薬局もあったという話を伺うこともあります。地域貢献をしている薬局の経営状況を安定させることは、医療機関と同様に必要なことではありますが、現時点において制度運用が不十分とも見受けられる状況であることからすれば、この類型に着目した調査を実施するよりも、まずはコロナ対応で苦労された薬局の経営状況把握されてはどうかと考えます」(長島氏)。

日医・長島氏、専門医療機関連携薬局について「門前薬局や敷地内薬局を認定していることも予想される」

さらに専門医療機関連携薬局については、敷地内薬局を認定しているケースがあるのではないかと懸念を示した。
「専門医療機関連携薬局についてですが、都道府県によっては門前薬局や敷地内薬局を認定していることも予想されますので、医薬・生活衛生局において、こうした認定の実態についてデータを示してもらいたいと思います」(長島氏)とした。

健康サポート薬局に関しては医薬局での検討を促した。
「健康サポート薬局については、主に保険医療外のサービスに注目した薬局類型です。従いましてて、この薬局の経営状況調査することと、医療経済実態調査目的である診療報酬の基礎資料を把握することとの関係性をよく整理しておく必要があると考えます」(長島氏)。

最後に、OTC医薬品の備蓄状況の把握については、「健康サポート薬局について医薬・生活衛生局で議論した際には一般用薬品の品目数についても議論されたと承知しております。そこで医療経済実態調査で調べるというよりも、医薬・生活衛生局が中心となってご検討いただくのが良いと考えます」(長島氏)と述べた。

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