秋の桃「冬美白」赤磐で収穫期 若手農家 特産化目指し栽培

冬美白を収穫するプロジェクトのメンバー

 赤磐市山陽地区で、若手農家が特産化を目指す桃「冬美白(とうびはく)」が収穫期を迎えた。夏場が出荷のピークとなる品種が主流を占める中、秋が旬となる“超晩生(おくて)”の珍しい品種。玉太りが良く、品質も上々という。

 冬美白は他の品種より実が太るのに時間がかかるものの、1玉350グラム前後の大玉で、糖度が15~16度と甘みが強いのが特長。山陽地区では、若手農家が2009年に試験栽培をスタート。14年に「山陽冬美白プロジェクト」を立ち上げ、現在は9人が約80本を栽培している。

 今年は例年並みの16日に収穫が始まり、メンバーは、丸々と育った果実を傷つけないよう、丁寧に摘み取っている。出荷は11月上旬まで続く。卸値で1玉2千~3千円という。

 栽培本数の増加を受け、前年を上回る約7トンの出荷を見込む。農マル園芸あかいわ農園(同市上市)や岡山市内の百貨店、インターネットで販売する。

 赤磐市で栽培する黒崎充さん(47)は「お盆過ぎの適度な雨量に加え、朝晩の寒暖差も大きく、甘みの増したいい実ができた」。プロジェクト代表の今井浩二さん(55)=同市=は「夏場の桃とは季節をずらして出荷できるメリットがある。地域の農家に栽培を呼びかけ、赤磐の新たなブランド桃に育てていきたい」と話している。

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