菅野志桜里氏に聞く旧統一教会問題!質問権とは?解散命令とは?選挙ドットコムちゃんねるまとめ

本記事は10月25日公開の動画の内容を基に構成しています。

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2022年10月25日に公開された動画のテーマは……菅野志桜里氏に聞く!旧統一教会問題

ゲストに弁護士・国際人道プラットフォーム代表の菅野志桜里氏をお招きし、旧統一教会問題に関連する質問権や解散命令、そして霊感商法対策検討会について語っていただきました。

【このトピックのポイント】
・質問権は過去に行使なし。菅野氏「団体の信教の自由がクローズアップされすぎていた」
・解散命令を請求すべきという世論が高まる。菅野氏も請求することになるとの見立て
・菅野氏は過去に旧統一教会の集会を急いで退席した経験あり。菅野氏「絶対ここにいちゃいけないと思った」

菅野氏が霊感商法対策検討会のメンバーに選ばれるまで

菅野氏は、消費者庁が立ち上げた霊感商法対策検討会のメンバーの1人です。

選出にあたっては「河野大臣から打診があったのでは?」という噂もありましたが菅野氏はスパッと否定。「消費者庁からメールが来て、お会いしたら『委員になってください』ということだった」とコメントしました。

菅野氏は国会議員時代に霊感商法に関する法律の作成に携わった経験があり、その点を評価されての起用だったのではないでしょうか。

とはいえ、政府の有識者会議に元国会議員がメンバーになった例はほとんどありません。MC鈴木は「それだけ専門性とこれまでの取り組みがあったということですね」とコメントしました。

旧統一教会に「質問権」初行使へ 質問権とは?解散命令とは?

岸田首相は10月17日の衆議院予算委員会で「『質問権』行使に向けた手続きを進める必要がある」と発言しました。

質問権とは、宗教法人に法令違反などが疑われる場合に運営実態などについて報告を求めたり質問したりする手続きのことです。

返答の内容やその後の手続きによっては宗教法人の解散命令につながります。解散命令が出されると宗教法人は法人格を失い、税制優遇が受けられなくなります。

質問権はこれまで行使されたことがありません。宗教法人の解散命令自体は過去に2例ありますが、警察の捜査が入ったということもあり質問権を行使せずに解散命令が出されてきました。

菅野氏は「(過去2例のような)犯罪に至らなくても、高額献金や正体を隠した伝道行為など違法といわれる行為が積み重なってきても質問権が使われてこなかったことについては問題がある」とコメントしました。

MC鈴木の「信教の自由を尊重するという考えでこれまで踏み込めなかった?」という質問に対して、菅野氏は「団体側の信教の自由がクローズアップされるあまり、団体の違法行為によって個人の財産権や信教の自由が奪われてきたことに、政治はすごく鈍感であった」と指摘しました。

旧統一教会の解散命令を請求すべき?霊感商法対策検討会が提示した新しい議会の形とは?

毎日新聞の世論調査では、旧統一教会への解散命令を政府が裁判所に請求すべきかという質問に対し「請求すべきだ」という回答が82%にのぼりました。

世論が高まりをみせているものの、菅野氏は「世論が求めているから解散する、しないという問題ではない」と冷静にコメント。一方で「法律を粛々と運用したうえでおそらく(解散命令を)請求ということになっていくだろうと見ている」と解説しました。

ここで、MC鈴木は霊感商法対策検討会について言及します。

MC鈴木によると、これまでの有識者会議は開始前からある程度のゴールが設定されていることが多いとのことです。しかし、霊感商法対策検討会については「もともとの省庁の考えをかなり踏み越えた形で提言が出されている」とコメント。

それに対し菅野氏は「検討会の合言葉は『枠を超える』だった」と返します。

菅野氏「従来の消費者庁の検討会で質問権や解散命令についての提言は出ようがない。『枠を超える』のだから根っこの部分の解決策は必ず示さないといけない、というのは一致していました」

また、菅野氏自身も世論への説明や働きかけについて革新的な動きを見せています。MC鈴木は「従来の有識者会議における有識者の役割を昇華している」「こういう有識者会議が増えると世の中はもっと変わると感じた」とコメントしました。

それに対し菅野氏は「政治的に実現するというと小さくまとまりがち。その範囲を広げるエネルギーは世論」と返し世論に働きかけることの重要性に言及。さらに「検討会の中と外がライブ中継でつながっている。検討会での議論が世論にドンドン反映されていくということが、政治的なハードルを超える力になったと思う」と続けました。

選挙と宗教の関係とは?菅野氏が候補者時代の経験を語る

菅野氏は候補者時代に参加した集会が旧統一教会に関連したものだと途中で知り、急いで席を立った経験があるとのことです。

菅野氏「絶対ここにいちゃいけない、とすぐに思ったのを鮮明に覚えています」

自身の対応について菅野氏は「その前まで検察官だったので、違法な行為に敏感だったということもある」と振り返りました。一方で「『まずいな』と思ったときに先輩議員とのしがらみや自分の選挙や物差しに照らしたときに、どんな行動をとるのかは人によって違いがあるかもしれない」と言及しました。

最後に、旧統一教会が政治にどの程度影響していたかについて、菅野氏は政策協定に関する報道の内容を踏まえつつ「LGBT問題についてなど家父長的な意味での保守的な政策提言が多く、同様の協定をお願いしてくる団体は統一教会だけではない」とコメント。

「そういう団体、提言が束になったときに与えてきた影響はあるのではないか」としめくくりました。

動画本編はこちら!

質問権とは?解散命令が出るとどうなる?霊感商法対策検討会が示した新しい有識者会議の形とは?

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