LRT試運転11月スタート 深夜、時速5キロから 宇都宮市が発表

来月から試運転が始まるLRTの軌道=26日午前、宇都宮市東宿郷1丁目

 宇都宮市は26日、次世代型路面電車(LRT)の試運転をJR宇都宮駅東口~平石区間の約4キロで11月17日に始めると発表した。営業区間の軌道上をLRT車両「ライトライン」が走行するのはこれが初めて。当初は時速5キロの低速で走行するため、交通の支障が少ない深夜に行われる。

 試運転は同17、18日の「入線試験」から行う。架線柱や停留場に接触しないことを確認する。走行するのは1編成1往復。初日は時速5キロ程度、2日目は同15キロまで速度を上げて安全を確認する。両日とも午後9時~午前5時に実施する予定。

 同21日からは「走行・性能試験」を実施する。車両の加減速やブレーキ性能、勾配区間での停車や発車などの動作を確認する。走行は1編成1~2往復。平日の午前9時~午後4時を予定しており、徐々に営業運転の時速40キロを目指す。

 試運転中は軌道と車道の間にバリケードを設置し、安全を保つ。交差点ごとにガードマンを配置し、県警の協力も得て交通への支障を極力減らすという。

 芳賀・高根沢工業団地までの全線14.6キロでの試運転が始まるのは来年4月から。その後、運転士が車両や路線に慣れるための習熟運転、国や県による運輸開始認可の手続きを経て、同8月に全線開業する予定。

 試運転の開始について、佐藤栄一(さとうえいいち)市長は26日の記者会見で「この後さまざまな課題が山のように増えると専門家から言われている。課題をしっかりクリアし、開業につなげたい」と話していた。

LRT試運転区間

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