佐藤流司のキャラに血肉が通う理由を『刀剣乱舞』加州清光から読み解いてみた。

2.5次元俳優として圧倒的な人気を誇り、人気作品の主役級も多く務める佐藤流司さん。今回は佐藤さんの俳優としての魅力を代表作『刀剣乱舞』の加州清光を例に解説。アーティストとしてのパフォーマンス力の高さについても語ります。

2.5次元作品をはじめ、舞台やドラマを中心に活躍する俳優・佐藤流司さん。最近ではバラエティ番組の出演や歌唱力を活かしたプロジェクトへの参加も増え、人気はますます高まっています。

2011年のデビューから現在に至るまで第一線で活躍し続ける佐藤さんの多彩な魅力とは。

佐藤さんの代表作のひとつである『刀剣乱舞』加州清光役を軸に考察します。

『月刊 佐藤流司× 小林裕和 』(イーネット・フロンティア)

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ミュージカル界のスターへ。再現力が話題に

佐藤さんは1995年1月17日生まれの27歳で、デビューは2011年。幼少期から表舞台に憧れていたため劇団ひまわりのオーディションに応募し、見事合格。俳優としての道を歩み出しました。

『仮面ライダーフォーゼ』佐竹輝彦役でデビューすると、2013年には舞台『忍たま乱太郎』に出演し、堅実に実績を積み重ねていきます。そして舞台『NARUTO-ナルト-』のメインキャストであるサスケを演じたことで、佐藤さんの名前は一躍有名に。高い演技力と再現性が話題となり、以後2.5次元舞台への出演をさらに増やしていきます。

《キャストコメント》うちはサスケ役:佐藤流司

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人気が高まるにつれ、その活躍の場は舞台だけに留まらず、テレビドラマ『ファイブ』、『御茶ノ水ロック』では主役級を務めるなど広がっていきます。

EXILE TRIBEの総合エンタテインメントプロジェクト『HiGH&LOW〜THE STORY OF S.W.O.R.D.〜』では、泰・清一派のリーダーである「狂気の喧嘩師」西川泰志役を熱演。クールなイメージがある佐藤さんですが、派手な立ち回りや見てるこちらまで「ビビッて」しまいそうな迫力ある一面に、仰天したファンも多かったのでは。

さまざまな人気キャラクターを演じ、ファンのみならず舞台愛好者からも高評価を得ている佐藤さん。

今回は代表作のひとつであるミュージカル『刀剣乱舞』加州清光役から、佐藤さんの俳優としての魅力を分解していきたいと思います。

佐藤流司さんの“分析力”が演技に活かされている

『刀剣乱舞(プレス限定盤F)』刀剣男士 team三条 with加州清光

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佐藤さん演じる加州清光は初演となる阿津賀志山異聞から登場。ゲーム刀剣乱舞で最初に選択可能な初期刀の5振りに含まれる加州清光の人気は高く、中世的な見た目や話し方といった特徴から「実現は難しいのでは? 」との声もちらほら聞かれました。しかし幕が開けば佐藤さん演じる清光は「まさに本物」と絶賛の声が多数。

自身が「かわいい」ことにこだわる普段の演技と、戦闘の最中の血気迫る殺陣とのギャップが話題になりました。その人気は留まることを知らず、単独公演や海外公演も開催。まさにミュージカル『刀剣乱舞』で最も愛されているキャラクターのうちの「一振り」であると言えるでしょう。ではなぜ佐藤さんの演じるキャラクターには血が通うのか? それは佐藤さんが自他ともに認める「分析派」であることに理由があるかもしれません。

佐藤さんは「2.5次元の舞台では自分は出さない」という信念を持ち、幕間での挨拶でも役を崩さないプロ意識の持ち主。

刀剣男士 team三条 with加州清光『刀剣乱舞』【OFFICIAL MUSIC VIDEO [Full ver.] 】

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WEB媒体のインタビューでは「加州清光は沖田総司の刀であり“刀そのもの”だから、刀の扱いに長けていて当たり前。(中略)『加州なのに刀の扱いが下手だな』と一瞬でも思われたら、観ているみなさんの気持ちが冷めてしまうんです。だから、演技はもちろん、演技以外の動きの部分で高いスキルを求められる」(※)と語り、その期待に応えるために細部の演技にも妥協しないのでしょう。舞台に望むまでにもキャラクターの成り立ちや性格、ふるまいなどを細かく分析して叩き込んで挑む佐藤さん。

ミュージカル『刀剣乱舞』の表題曲は「日本で一番聞いた」と自負しており、「輪廻転生があって、次の人生があったとしても、生まれた時には口ずさめている」とコメント(※2)。体に染み込んでしまうほど、作品に関する研究を叩き込んでいるからこそ、演技のクオリティがあがるのではないでしょうか。

※人気俳優・佐藤流司が考える「2.5次元舞台」の面白さ。そして“自分らしさを消す”理由(https://cancam.jp/archives/250377/3)より引用

※2:【2.5次元】加州清光(佐藤流司)インタビュー ミュージカル『刀剣乱舞』 加州清光 単騎出陣 アジアツアーを終え日本凱旋公演へ「フルパワーを出し切る」(https://tvfan.kyodo.co.jp/feature-interview/interview/25d-interview/1187340)より引用

Blu-ray『ミュージカル『刀剣乱舞』 加州清光 単騎出陣2018』

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また細かい部分のビジュアルにも気を配るのも理由のひとつ。実は単騎出陣の際には衣装に合わせた赤と黒のネイルを披露。キャラクターによってはメイクも自身で施すなど、理想に近付ける苦労を惜しまないところが高い再現度につながっているのでしょう。

歌唱力も抜群!音楽パフォーマンスでも妥協しない

さらに佐藤さんの魅力は演技面だけにはとどまりません。

ミュージカル刀剣乱舞でも美声を届けてくれている佐藤さんですが、実はアーティスト活動も積極的に行っています。

もともと地元でもヴィジュアル系バンドを組んでいた佐藤さんは歌唱力抜群で、2018年からはバンドプロジェクト・The Brow Beatで歌手デビュー。

CD『404 Type A』The Brow Beat

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アーティスト名義を「Ryuji」とし、ヴィジュアル系バンド・PENICILLINで活動するHAKUEIさんとツインボーカルで結成しました。オリコン週間インディーズアルバムランキング1位、1月1日付のiTunes総合チャート1位を見事獲得するなど、デビュー直後から快進撃を続け、3年間のインディーズ活動を経て、2021年にはメジャーデビューを果たしました。へヴィ、オルタナティブ、軽快なロックまでと音楽性も幅広いことが特徴で、ファンの間でも「The Brow Beatのおかげで好きな音楽のジャンルが増えた」という声も聴かれるほどです。さらにライブ映像と音源が変わらないどころか、より迫力が増すという高パフォーマンス。佐藤さんが作詞を手掛けている曲もあり、多彩な才能が伺えます。

The Brow Beat LIVE 2021「Let’s play harevutai, shall we!?」DVD発売告知映像

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2021年には佐藤さん、福澤侑さん、spiさん、心之介さんの4人をメンバーとした、LDHRecord所属の音楽ユニット・ZIPANG OPERAが始動し、美麗な歌声と共に、キレキレのダンスも披露。LDH所属とあって、歌だけでなくダンスもこだわり抜かれた曲ばかりで、MVも素敵です。『HiGH&LOW』から佐藤さんを知ったLDHファンからも「沼すぎる」とのコメントが多数。このように映像作品と音楽作品の両方のファンを魅了する佐藤さん。演技力が高く、キャラクターへの没入が得意だからこそ、タイプの違う音楽グループで高いクオリティを提供できるのではないでしょうか。

ZIPANG OPERA ACT ZERO 〜暁の海〜 (Solo Teaser -佐藤流司-)

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2.5次元を牽引する俳優に

演技や音楽でも一流のこだわりをみせる佐藤さん。ビジュアルが特に意識される2.5次元舞台の出演をいつでも念頭に置いて、美顔ローラーや体型管理のサプリも鞄に入れて持ち歩き、役に合わせて体重管理もしっかりと行ってくれるなどプロ意識も高く、いつでも「佐藤さんの舞台は間違いない」とファンを安心させてくれます。

佐藤さんも複数のインタビューのなかで、「2.5次元というジャンルを引っ張れる俳優になりたい」と展望を語っています。舞台「呪術廻戦」では虎杖悠仁役で主演を務め、アクロバティックな演技で観客を魅了しています。

さらに2022年9月2日からは藤田玲さんとW主演の映画「アウトロダブル」が放映。主題歌「BOND」もダブルボーカルで参加し、まさに佐藤さんの演技と歌声が楽しめる、ファンにとっても堪らない作品となっています。さらに日本テレビのバラエティ番組『ろくにんよれば町内会』にレギュラー出演し、荒牧慶彦さん、和田雅成さん、梅津瑞樹さん、橋本祥平さん、田中涼星さんなどの舞台俳優仲間とロケやコントなど、さまざまな企画に挑戦。

舞台やドラマなどで見せる姿とは違い、面白いワードセンスや機転の効く一言などで場を盛り上げるなど、バラエティに強い一面も佐藤さんの魅力のひとつです。今後ますますの活躍が期待される佐藤さんから目が離せません。

(執筆:住岡)

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佐藤流司さんプロフィール

佐藤 流司(さとう・りゅうじ)

職業:歌手・俳優

所属事務所:劇団ひまわり

出身地:宮城県

誕生日:1995年1月17日

血液型:B型

身長:172 cm

特技:空手、ドラム、トランポリン、歌、殺陣、アクロバット、エアリアル、ダンス

代表作:『仮面ライダーフォーゼ』佐竹輝彦役、『ミュージカル・テニスの王子様2ndシーズン』財前光役、『ライブ・スペクタクル「NARUTO」シリーズ』うちはサスケ役、『ミュージカル「刀剣乱舞」シリーズ』加州清光役など。■「お互いに骨の髄まで知っている」藤田玲・佐藤流司がW主演! 映画『アウトロダブル』キャストインタビュー

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