70代男性 監禁不明事件 初の判決 「関与の度合い低い」女に懲役8か月・執行猶予2年

広島・海田町で男性が監禁され、その後、行方が分からなくなっている事件で、起訴された男女のうち、初めての判決です。

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これまでの裁判での検察や女の証言による事件の概要はこうです。

県内に住む女5人が、71歳の男性と金銭トラブルになり、詐欺の可能性を疑いました。女らは、男性に説明を求めようと、「債権回収屋」とされる男2人に協力を依頼…。

ことし6月、7人は金銭の返還を求めるため、携帯電話を取り上げるなどして男性を事務所に監禁したとされています。男のうち1人は逃走中で、被害男性の行方は今も分かっていません。

そして、27日、この事件で起訴された中で初めて、栗栖愛 被告(36)に判決が言い渡されました。

広島地裁の藤丸貴久 裁判官は、監禁の罪を認定。

「被害男性は、栗栖被告らから高額の金銭をだまし取っていたと考えられ、被告らが返還を求めるのは当然の成り行きだが、警察や弁護士ではなく、『回収屋』という怪しげな集団に依頼したことは法制度を軽視したものである」と指摘。

一方で、「回収屋に依頼したのはほかの共犯者で、栗栖被告は暴力にも反対の立場を示していて、犯行への関与の度合いは格段に低い」として、懲役8か月・執行猶予2年を言い渡しました。

判決を言い渡した後、藤丸裁判官は、栗栖被告に対し、「お金が返って来ず、不安になったことは同情するが、このような手段をとることは非難される。困ったことがあった場合は、弁護士や警察に相談して正規の手続きをとること。報道などで被害男性がまだ見つかっていないと知っていると思うが、自分がしたことが結果的に一因になっていると感じていると思う。怪しい人間には近づかないよう気を付けてほしい」と声をかけました。

この事件では、警察が、現在も行方不明の男性を探すとともに、逃走している伊藤圭亮 容疑者の行方を追っています。

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