不登校が過去最多4188人 栃木県内小中学校、9年連続増加

県内小中学校の不登校児童生徒数

 2021年度に栃木県内公立小中学校で不登校だった児童生徒は、前年度より24.9%(835人)増えて4188人に上り、過去最多を更新したことが27日、文部科学省の問題行動・不登校調査で分かった。増加は13年度から9年連続。県教委は「原因は複合的」とした上で、新型コロナウイルス禍での生活リズムの乱れや交友関係構築の難しさなどが、登校意欲の低下につながった可能性があるとみている。

 不登校は病気や経済的理由、新型コロナの感染回避を除き、年間30日以上登校していない状態。小学校は1181人(前年度比208人増)、中学校は3007人(627人増)で、中学校の増加が目立つ。コロナ感染拡大前の19年度に比べ、計1081人増えた。

 主な要因として「無気力、不安」が最も多く、50.9%(2132人)を占めた。次いで「いじめを除く友人関係」(9.8%)、「生活リズムの乱れ、遊び、非行」(9.4%)が挙がった。

 県立高の不登校生徒は763人(前年度比156人増)だった。

 一方、県内国公私立の小中高校と特別支援学校のいじめ認知件数は、前年度比12.5%(570件)増の5146件だった。県教委がまとめた公立校分も12.0%(544件)増の5065件。内訳は小学校3684件(前年度比602件増)、中学校1172件(47件減)、高校・特別支援学校209件(11件減)。

 いじめの内容は「冷やかし」が2847件(56.2%)で最多。「軽くたたかれる」「仲間外れ」が続いた。前年度、増加が目立った「メール等の誹謗(ひぼう)中傷」は287件(5.7%)で微減だった。暴力行為は前年度比33.1%(319件)増の1282件で、小学校での発生が目立った。

 県教委はコロナ禍で生活環境が変化したことによるストレスや、教育活動の再開で子ども同士の交流が増えたことなどが一因とみている。

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