フル規格へ議論加速を 佐賀県議会に申し入れ 九州新幹線長崎ルートで県議会

佐賀県議会議員(左側)に対し、九州新幹線長崎ルートの全線フル規格化に向けた議論促進を求めた長崎県議会の中島議長(右)ら=佐賀県議会

 長崎県議会は27日、佐賀県議会に対し、九州新幹線長崎ルート(博多-長崎)の佐賀県側の未着工区間(新鳥栖-武雄温泉)のフル規格整備に向けた議論を加速するよう申し入れた。
 冒頭を除き非公開。終了後、佐賀の藤木卓一郎議長は取材陣に、フル規格化について「個別具体的な議論はなかった」とした上で「しっかり議論していくという話をした」と述べた。
 長崎側は中島廣義議長、同ルート建設促進議員連盟の瀬川光之会長ら計5人が訪問。佐賀側は藤木議長や「九州新幹線西九州ルート整備促進議員連盟」メンバーら計5人が対応した。
 瀬川会長は終了後、佐賀県と国土交通省による「幅広い協議」を見守ることが必要と強調しつつ、「(佐賀側に申し入れを)前向きに受け止めていただいたと感じている」と話した。
 藤木議長は個人的な意見と断った上で、新幹線について「佐賀県の主要課題の一つ。(与党整備新幹線建設推進プロジェクトチームの協議と、幅広い協議は)全体的に遅いと感じている。活発な議論を期待し、県議会としてもその役割がある」とした。
 このほか、両県議会は並行在来線(江北-諫早)の利便性向上について、両県の課題として認識を共有し、解決に向け努力することを確認した。
 両県議会はこれまで「行政懇談会」として毎年、両県にまたがる共通問題を議論してきたが、2010年を最後に中断していた。今後は新幹線問題も含め、定期的に意見交換する方針で一致した。


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