池田組事務所など4カ所使用制限 岡山県警が仮命令、抗争抑止図る

池田組事務所の出入り口に使用制限の標章を張る捜査員=28日午前11時1分、岡山市北区田町

 岡山市の理髪店で指定暴力団池田組の男性組長(77)が襲撃された殺人未遂事件などを受け、岡山県警は28日、暴力団対策法に基づき、同組事務所(同市北区田町)と、同事件の容疑者が所属する特定抗争指定暴力団山口組系妹尾組事務所(同市中区御幸町)など市内4カ所の関係先の使用を制限する仮命令を出した。

 県警は池田組と山口組傘下組織が抗争状態にあると認定、活動を制限し抗争激化の抑止を図る。仮命令では組員の集合や凶器保管などのために事務所を使用することを禁止する。効力は11月11日までの15日間で県公安委員会は3カ月間の本命令についても検討する。

 池田組事務所にはこの日午前、捜査員6人が立ち入り、使用制限を告げる標章を出入り口に張り付けた。妹尾組事務所にも標章を張り、殺人未遂事件の関係先として家宅捜索を行った。県警は池田組を特定抗争指定暴力団に指定し、池田組と山口組の活動を厳しく制限する「警戒区域」に岡山市を再指定することを視野に情報収集を進める。

 池田組を巡っては、5月に市内の関連施設に軽ワゴン車が突っ込み、建造物損壊容疑で山口組系南進会(同市北区十日市中町)の組員の男が逮捕されたほか、今月26日に理髪店で組長が襲撃され、警護役の2人が軽傷を負った事件が発生。同日夜も組長が住むマンションの駐車場で乗用車に銃弾が撃ち込まれ、拳銃のようなものを所持した疑いで逮捕された妹尾組幹部の男が関与を認める供述をしている。

 仮命令を出したのは他に、南進会と同中央町にある池田組関連施設。

 県警は28日、殺人未遂容疑で妹尾組幹部の男(50)、銃刀法違反(所持)容疑で同組幹部の男(57)の両容疑者を送検した。

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