7月の参院選「1票の格差」訴訟 広島高裁は「違憲状態」【10月28日】

「1票の格差」が是正されないまま行われた7月の参議院選挙は憲法違反だとして、広島の弁護士グループが選挙の無効を求めた裁判で、広島高裁は「違憲状態」だったという判断を示しました。選挙無効の訴えは退けています。

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判決で広島高裁の 横溝邦彦 裁判長は、選挙当時の選挙区間の最大格差が3.03倍であった投票価値の不均衡について、「違憲の問題が生じる程度の著しい不平等状態にあったというべきである」としています。

一方で、「最高裁が2016年と2019年の選挙において、違憲の問題が生ずる程度の著しい不平等の状態にはあったといえないと判断していることを鑑みると、国会において、今回の選挙までの間に、選挙区間の投票価値の不均衡が、違憲の問題が生ずる程度の不平等状態に至っていると認識し得たとまでは認められない」としています。

参院選をめぐっては、2つの弁護士グループが全国の裁判所で合わせて16件、選挙の無効を求める訴えを起こしていて、きょうの広島高裁での判決を含み、「違憲状態」4つ、「合憲」2つの判決が出ていて裁判所の判断が割れています。

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