松山高校「記念館」の耐震工事が終了、11月に記念イベント 国登録の文化財 創立100年を前に「復元」

創立100周年を前に耐震改修工事が行われた松高記念館。29日にオープンセレモニー、11月5日にはイベントとライトアップが予定されている=東松山市松山の県立松山高校

 埼玉県東松山市松山の県立松山高校(菅野義彦校長、生徒数943人)にある「松高記念館」の耐震改修工事が終了し、29日午後2時からオープニングセレモニーが行われる。

 松高記念館は1923(大正12)年、旧制松山中学校の校舎として建てられた。69(昭和44)年、管理棟の新築に伴い本館・木造校舎の取り壊しが決まったが、卒業生らの保存運動が展開された。70(同45)年、建物の両翼を撤去、中央部を、現在地に移築した。2020年4月、国登録有形文化財に登録された。23(令和5)年の創立100周年を前にして、昨年の夏から記念館の耐震・復元・改修工事が行われていた。

 改修工事に伴い、建物の外観も建築当時の「もえぎ色」に戻した。内部の床木も張り替え、壁も“しっくい風”の白壁にした。移築後、廊下に設けられた物置は撤去、廊下にした。広くして会議室に活用の校長室も、資料室になっていた応接室も元に戻した。物入れになっていた宿直室もきれいにして畳を入れ復元した。

 今後も1階の一部は同窓会事務室として活用、2階は展示室として一般公開(31日から平日午前9時~午後4時)する。展示室には創立当初から現在に至る同校の会誌、卒業生の活躍の記録などが展示される。

 11月5日午後3時半~同4時半まで、改修の記念イベント「松高記念館の秋」を開催する。会場では応援団や吹奏楽部による第一応援歌「空は晴れたり」と校歌演奏、卒業生のジャズトロンボーン奏者・寺谷光さんの演奏、松高記念館のライトアップが行われる予定。

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