今年はおせちも値上げ?! ウクライナ侵攻や円安の影響でロシア産ズワイガニが高値に【新潟県内関係者へ聞く】

ズワイガニ(写真はイメージです)

ロシアがウクライナに侵攻して8か月が経過した。その間に円安も進んだ。直近では円相場は1ドル140円台後半で推移しており、物価高、円安のダブルパンチで家計を圧迫している。そんな中、ご多分にもれず、カニ、イクラなどの海産物も高値で推移している。最新の状況について、新潟県内の海産物小売店の関係者に話を聞いた。

小売店の関係者は「中国や韓国(などの中央・南アジア)経由で商品はまわっては来ているものの、ロシア商品の不買運動の機運もあり、日本企業としても表立ってロシア産を買えないという状況にある。ロシアは、中国、チリに次いで、日本の海産物の輸入の3番目の位置を占めている国だ。特にロシアのカニ(ズワイガニ)は、日本のカニの輸入の全体の50%ぐらいのシェアを占めている。ズワイガニは余分な水分が少なく、身がしまっており、味が濃いし、カニみそも濃厚だ。新潟県内ならば糸魚川市能生で主に獲れるベニズワイガニよりも値が高い。カニは昨年が一番高かった。仮に20%くらいカニが昨年より安くても、円安で輸入品の値が上がり、行ってこいみたいな(値段がトントンになってしまった)ところはある。昨年よりは若干下がったが、まだまだ高い」と話す。

さらに、「イクラも高いし、数の子も前年比で20%ほど高い。イクラは親の鮭がいないほか、魚体も小さいため、今年はまだ始まったばかりだが(取材時は9月下旬)、高値でスタートした。今年のおせちは値上げせざるをえない。もともと高い物がより高くなる。おせちに限らず、年末商品はみんな高い。コロナ禍で外食需要が落ち込んだせいで、マグロも高い。畜養といって、稚魚をとってきて、イケスで育てるのだが、コロナ禍で量を減らしていた。それがここにきて需要が回復したので、年末用のモノが足りなくなっていると市場筋から聞いた」と語る。

ウクライナ侵攻に物価高、円安にコロナ第7波とまさに踏んだり蹴ったりの昨今。輸入品が割高で値上げラッシュの今年は、お正月のお楽しみのひとつである「おせち」もついに値上げか? このままでは、誰も得する人がいない年末年始となりそうだ。

イクラも値が高い(写真はイメージです)

(文・梅川康輝)

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